元ノネコ 7匹鹿児島へ

鹿児島市などに移送された元ノネコ(計7匹)と関係者=13日夕、徳之島町亀徳新港で

新たな飼い主探し 獣医師会など協力
環境省徳之島自然保護官事務所

【徳之島】環境省徳之島自然保護官事務所は13日、アマミノクロウサギなど希少哺乳類の生息域(森林部)内で捕獲して天城町にあるノネコ収容施設(徳之島3町ネコ対策協議会運営)で順化させるなどしたネコ7匹を、㈱マルエーフェリーの無償協力で鹿児島市に移送した。県獣医師会事務局を通じて7つの動物病院が受け入れ、新たな飼い主探しに協力する。

同事務所によると、徳之島の森林部に分布するノネコの個体数は150~200匹程度と推測(同省、2014年度)。クロウサギなど生息域からの14年度以降の捕獲・排除数は計117匹(うち20匹天城町が協力)。これらノネコたちには、ネコのエイズや白血病検査、3種混合ワクチン接種、不妊去勢手術を実施(いずれも徳之島動物病院)。

その後、3町対策協のネコ収容施設「ニャンダーランド」で飼育して人に順化。並行して新しい飼い主探しも進め、島内ではこれまで計31匹を譲渡。そして島外への移送は昨年8月の2匹に続き2回目の今回で計9匹に。

今回、鹿児島港(14日午前)では、県獣医師会事務局とNPO法人犬猫と共生できる社会を目指す会の関係者が引き取り、受け入れ先の鹿児島・阿久根・姶良3市の7つの動物病院に移送。それぞれが新しい飼い主探しに協力するという。

環境省同事務所の渡邊春隆自然保護官は「関係機関の広域的な連携で徳之島のネコ対策は進展している。捕獲開始後、アマミノクロウサギやケナガネズミ、トクノシマトゲネズミの確認頻度が増え、クロウサギに関しては出現エリアが拡大している」。そして「根本的には、飼い主一人ひとりが問題を認識し、ネコの室内飼育・不妊化手術・役場での登録など適正飼育することが重要」。

新たな飼い主(室内飼育が条件)希望者は天城町企画課(電話0997―85―5171)へ。