伊仙町馬根小 視覚障がい夫妻や盲導犬と交流

井出盛親さんからは盲導犬体験のアドバイスも=13日、伊仙町馬根小体育館

「優しい心と勇気を」
体験談を直接聞く

【徳之島】伊仙町社会福祉協議会(幸多実会長)の出前福祉講座が13日、視覚障がい者夫妻と盲導犬をゲストに、同町立馬根小学校(村岡由一校長、児童数11人)であった。児童たちは目が不自由になった経緯や盲導犬との生活など体験談を直接聞き、「優しい心と勇気」の大切さを再認識した。

派遣されたのは、同町伊仙で「井手あん摩マッサージ院」を営む井手盛親さん(63)・喜代美さん(60)夫妻と2人の盲導犬「イゼル」(ラブラドール・リトルバー)。つらい事に立ち向かう勇気と行動を身につけて学校や日常生活に生かし、盲導犬との関わり方も学ぼう―との町社福協出張講座の同メニューに手を挙げた。

経緯や体験談など講話で、喜代美さんは「小学5年生の時に目が見えなくなった。親元を離れ、鹿児島の盲学校での生活は寂しかったが頑張りました。今の楽しみは、庭で草花を育てることです」。盛親さんは「失明原因にはケガや事故もあるが、私は3歳のときの小児結核による注射の打ち過ぎで目と耳が悪くなった。今の楽しみはハーモニカとリコーダーの演奏です」。

本土の専門機関で約1カ月間、寝食をともにして訓練を受けた盲導犬については、「買い物などに安全に連れて行ってくれる。(本土などで)盲導犬の同伴を断られるのが一番寂しいが、徳之島の人たちは優しい。住むきっかけにもなった」。そして「優しい心。だれかが困っているときは、勇気を持って助けてあげて欲しい」(盛親さん)と児童たちに呼びかけた。

児童たちは盲導犬のハーネス(白い胴輪 )を握って立ち位置や歩行体験、質疑タイムでも交流。児童の一人・常悠里弥=ゆりや=さん(6年生)は「目の不自由な方の大変さが分かった。犬が人の気持ちが分かっているのも。困っている人を見かけたら、進んで助けてあげます」と話した。