松原さん(奄美出身)プロゴルファーに

ゴルフのプロテストに合格した松原さん(提供写真)

12月正式表明 「試合出て恩返ししたい」

奄美出身の松原裕人さん(28)=広島市呉市=が今月、ゴルフのプロテストに合格した。12月に正式にプロ認定を受け、トーナメントプレイヤーとして始動する。奄美市名瀬の奄美カントリークラブによると、久保樹乃さん以来、2人目となる奄美出身トーナメントプレイヤー誕生とみられる。松原さんはお世話になった人たちのため、「一つでも多く試合に出て恩返しがしたい」と意気込んでいる。

父親の礼時さん(56)の仕事の都合で奄美各地で育ったという裕人さんは、沖永良部島に住んでいた中学時代に礼時さんの影響で初めてゴルフを体験。同島の高千穂カントリークラブで礼時さんとショートコースを回るなどしてゴルフに親しんだ。中学時代には文集にプロゴルファーを目指したい旨を書くなどして将来を意識していたのだという。

進学した沖永良部高校で、3年の終わり頃、プロゴルファーになろうと決断し、反対する両親を説得して卒業後は福岡県の九州ゴルフ専門学校に進学。卒業後、広島県の呉カントリークラブで働き始め、キャディー業務など仕事をこなしながら、仕事後の午後4時~同9時くらいまで、ほぼ毎日練習に励んだ。

今年は、プロテスト挑戦8年目だったが、最終テストでは上位50位中、11位タイの好成績を収めてテストに合格した。

プロゴルファーになる夢を諦めようかと葛藤することもあったという裕人さんだったが、「ここまで来たらやるしかない」と決意。「応援してくれる方々のために恩返しもしたく、ここでやめたら自分の人生も中途半端になってしまう気がしたのでやり遂げたい気持ち」があったため、受験を続けたのだという。

今回のテストに対しては、「この先、人生でつまづくことがあったら乗り越えられない自分になってしまう気がしていたので、しっかりと受験して自分に自信をつけたいという思い」もあった。

裕人さんは「合格で満足せず、次のステップを目指し、テレビに出られるよう努力し、和泊町など沖永良部の人たちに勇気を持ってもらえたり、喜んでもらえるよう頑張っていきたい」と意気込み、応援し続けてくれた両親に感謝の気持ちも抱く。

今月末には、プロツアーへの出場権を得るための予選会に臨むという。

礼時さんは「よく頑張ったと思う。これからが大事で今回はあくまで第一ステップ」と今後の活躍に期待した。