工芸部門でメモリアル賞

ねんりんピック鹿児島メモリアル賞・受賞作品「まなざし」と福田さん

県シルバー文化作品展 名瀬・福田さん「まなざし」

県内在住の60歳以上の高齢者による第25回シルバー文化作品展(県、県社会福祉協議会主催)で、奄美市名瀬の福田信廣さん(71)がねんりんピック鹿児島メモリアル賞・工芸部門を受賞した。最終日の10日、会場の県歴史資料センター黎明館=鹿児島市=で入賞者の表彰式があり、出席した福田さんに賞状と記念のトロフィーが贈呈された。

高齢者の趣味活動や生きがいづくりを目的とする同展は、今年度は9月6~10日の日程で開催。日本画、洋画、書、工芸、写真、彫刻―の6部門に合計270作の出品があり、各入賞作が選考された。

福田さんは、オランウータンの親子をモチーフにした木彫り絵「まなざし」(縦70㌢、横30㌢)を工芸の部に出品。同部門応募数52点の中から、同賞受賞を果たした。なお福田さんは、15年度同展で工芸の部銅賞に続く、連続入賞も果たしている。

作品は、黒色を吹き付けた厚さ5㍉の合板のシナベニヤを使用。盤面に薄彫りした、母オランウータンが子どもを見つめる表情、顔のしわや皮膚感など繊細な表現が評価された。

40年以上、作品づくりを行っている福田さん。島外作品展での初受賞に、「納得できる仕上がりだったので受賞はうれしい」と笑みを見せ、今後の制作活動に意欲を見せている。

なお同展の奄美関係の受賞者は次の通り。(敬称略)
▽県社会福祉協議会会長賞=森田美和(徳之島町) 書「陳鴻寿」▽銀賞=吉澤正(徳之島町) 工芸「愛人の追憶」▽銅賞=保村伸子(天城町) 書「王鐸」▽奨励賞=恵スマ(奄美市) 洋画「浜辺の詩」▽濵崎菊乃(同) 書「五言一句」