龍郷町大勝の水田で行われたマコモの収穫体験
奄美食育・食文化プロジェクト(久留ひろみ代表)のマコモ収穫体験&料理教室が29日、龍郷町大勝の水田などであった。同プロジェクトの会員など約20人が参加し、シーズンの終盤を迎えたマコモの収穫を体験。収穫したマコモは久留代表のオリジナルレシピで調理し、新鮮な旬の味を楽しんだ。
同プロジェクトは「奄美の健康長寿と経済振興に寄与する」ことを理念として発足。栄養士や管理栄養士、調理師など25人の会員が所属しており、料理教室や農家訪問、島野菜市などを開催している。
今回のマコモ収穫体験では、龍郷町大勝の南重喜さん(76)の栽培するマコモを収穫。南さんはもともと泥染め職人として働いていたものの、10年ほど前から畑の一部でマコモ栽培を始めたという。現在は30アールほどの規模でマコモを栽培。「昔からマコモが好きで、あの味が忘れられないから自家用で栽培し始めたのが最初。需要があり、少しずつ栽培する量を増やして行った」と振り返る。
作業は南さん指導のもと、参加者が自由に水田の中を歩き回り、時期を迎えたマコモを見極めて収穫。深い泥に足を取られながらも、笑顔で収穫を楽しむ姿が見られた。
同プロジェクト会員のほとんどは学校や病院、施設などの給食業務に携わっているという。介護施設で働く会員からは、「マコモを出すと、みんな『マコモの時期が来た』と喜ぶ」という声や、保育施設で働く会員からは「最近マコモを調理して出したが、食べやすいのか子どもたちも自然と食べるようになった」という声があった。
久留代表は「昨年はマコモの料理教室だけだったが、『またやりたい』という声が多かった。今年は収穫体験もできたので良かったと思う。私たちの活動の根底には地産地消と生産者を増やしたいという考えがある。また、調理する側も農家訪問することで、より生産者の気持ちが分かるはず。ゆくゆくは奄美で食の祭典のようなものも開けるようにしたい」と語った。
収穫後には奄美市名瀬の奄美看護福祉専門学校の調理室で料理教室を実施。マコモのおこわ風や炒め物、天ぷらなど、久留代表が考案したオリジナルレシピでマコモを楽しんだ。
同プロジェクトでは、12月も料理教室を開催。「三献」をテーマに、一般の参加も呼び掛けている。料金は2千円。問い合わせはTEL:090‐4582‐1824(久留代表)まで。