お年寄りの気持ち理解

重りやサポーターを付けて高齢者の疑似体験を行った大棚小児童

大棚小児童 高齢者疑似体験や車いす体験

大和村の大棚小学校(山口美帆子校長、児童18人)は7日、地域ジュニア福祉体験教室をした。県社会福祉協議会の職員が講師として来校し、高齢者疑似体験や車いす体験などを実施。11日には大和の園訪問も控えており、お年寄りの気持ちを学ぼうと、熱心に授業を受ける児童らの姿が見られた。

同授業は大和の園訪問の事前学習として同協議会県介護実習・普及センターの山下かおり所長らが来島した。授業の冒頭では、同センターの濱田実男さんが「福祉」の意味や「ユニバーサルデザイン」について説明。「ふつうに くらせる しあわせ」という言葉をキーワードに、自助具など、生活を手助けする道具などを紹介した。

後半は、高学年が車いす体験、低学年は自助具作りに挑戦。車いす体験では、2人1組になってそれぞれ介助者と要介護者に分かれて体育館の中や出入り口で車いすの使い方を学習。自助具作りでは、靴下をはくための道具を制作・体験した。

高齢者疑似体験は、重りやサポーター、ゴーグルなどを装着して思うように体が動かせなかったり、狭い視界を体験するもの。児童からは「重りが重たい」「見えづらい」という声があったものの、その状態で日常生活の一部である食事や、杖を突きながら階段の上り下りに臨んだ。体験した児童からは「目が見えないのが一番大変」「足が伸ばせなくて辛い」などの感想が挙がった。

山下所長は「福祉の現場は人材不足。小さい頃から関心を持ってもらうことで、将来の選択肢に入れてほしいと思う。また、こうした体験を通して、一緒に住んでいるおじいちゃんおばあちゃんや、近所のお年寄りなどへの声掛けが変わってくれたら」と話した。