神奈川県平塚市 うもーれ奄美

同級生でイラストレーターのあいきじゅんさんの描いた看板

常連客で熊本出身の画家・柏原英昭さんと田中美津代さん

「いつかまた、どこかで」
瀬相出身 田中美津代さん経営、26日最終日

【東京】七夕で有名な神奈川県平塚市。平塚駅で流れるBGMはまさしく「七夕」。同駅から歩くこと10分の浅間町に「立ち呑み&奄美物産・うも~れ奄美」はある。加計呂麻島の瀬相出身の店長、田中美津代さん(55)が10年前に始めたお店だ。

店内には来店した奄美の人たちの名簿や奄美の情報があふれ、自ら種から育てたサネンの花が訪れた人を出迎える。いまだに自分でカシャ餅を作り、昔の方言をきっちりしゃべっている。平塚で奄美を見つけた感じだ。

「店を始めたら奄美っちゅがいっぱい住んでいることを知った」と話し、同郷の田中達三さん(社会福祉法人湘南福祉協会理事長)や瀬戸内町の人たちみんなが来店した。店頭には同級生のイラストレーターのあいきじゅんさんの描いた看板が立ち、トイレには地元の常連客で画家・柏原英昭さんのアクリル画が壁いっぱいに貼られ、みんなに愛されていることがわかる店だ。

地元の瀬相には母親が一人で住んでいるが、今でも島ラッキョウを漬け、田中さんに送ってくれている。「お母さんの漬けたのがやっぱり一番おいしいね」と、懐かしそうに話す。

10年経ったら、一区切りでやめると店を始めたときから決めていたという田中さん。「ハギ病みで大変。でもこの店の名前は使えないからね。いつかまたどこかで会おうね。うも~れ奄美で」。

いよいよ、10年経った店じまいのカウントダウンが始まった。「うも~れ奄美」は今月26日で最終日となる。
神奈川県平塚市浅間町6―25、TEL090・1437・4079まで。