2020年度の「プログラミング学習必修化」方針を先取りし、母間小で行われている学習=30日、徳之島町
【徳之島】徳之島町立母間小学校(福宏人校長、児童数33人)は、文部科学省「人口減少社会におけるICT(情報通信技術)の活用による教育の質の維持向上に係る実証事業・離島複式モデル」指定(2015年度~17年同)で実証研究を推進。今年7月からは独自の同関連教育活動として、2年生5人を対象に、センサー・ロボットを動かすプログラミング学習にも着手。必修化を先取りした授業への位置づけは県内初とみられる。
母間小は14年度に町教育委員会、15年度は県教委のICT研究協力校指定を受けて、ICT(デジタル教科書・タブレットコンピーターなど)利活用による複式少人数学級の授業改善に着手。テレビ会議システムを活用した町内の花徳小と山小両校との双方向遠隔授業改善も推進。文科省同事業の「離島複式モデル」指定(3年間)の実証研究も進めるなど、国内外にニュース配信され話題も提供している。
プログラミング学習については、文科省が20年度から小中学校で段階的に必修化する方針を固めている。将来的なIT人材の不足(20年36万9千人、30年78万9千人予測)が背景にある。人工知能(AI)などの普及を見据え、新しい技術を使いこなして付加価値の高い仕事に就く人材を増やすのが狙い。
母間小では、学校創立記念寄付金など基金を活用してプログラミング教材4セット(センサー・ロボット4台)などを独自に購入。2年生の「創意を生かした教育活動」の中に月1回ペース計5時間の単元を設定。指導は、情報教育推進指導者(文科省認定)スキルを持つ赤崎公彦教諭が担当している。
30日(4回目)の授業公開で児童たちは、モーション(前進・停止)センサーに、「傾き」などに反応するチルトセンサーなど、目的に沿った組み合わせ方を学習。児童の稲村仁太君(8)は「ガタガタ道で止まるところがすごかった。将来は、海にもぐって魚を調べたり、取ったりするロボットを作りたい」と目を輝かせていた。
福校長は「プログラミングは、課題や問題を論理的に考えて解決していく能力の開発につながる。ICTは離島へき地の閉鎖性を超えて、近隣や世界へとつながり情報が共有できる」。17年度からは全学年を対象にプログラミング学習を推進する方針だ。
町当局は16年度一般会計9月補正で「タブレットICT教育プログラミング推進事業」175万9千円を計上。タブレットや同ロボット各10台などを導入して各学校に貸与するほか、「学士村塾」の教材にも活用する方針だ。