「徳之島みらい創りプロジェクト」

徳之島町と地域創生連携協定を結んだ富士ゼロックス㈱の関係者(左・金子氏、右・岡野氏)=3日、同町役場

富士ゼロックスと徳之島町
地方創生で連携協定

【徳之島】富士ゼロックス㈱(本社・東京都港区、栗原博社長)および同販売会社の富士ゼロックス鹿児島㈱(本社・鹿児島市、金子努社長)、徳之島町(高岡秀規町長)の3者は3日、地方創生連携協定を締結。現状や課題を見つめながら、町の未来に対する若者や女性の多様な意見などを集約して町全体の総意を形成していく「徳之島みらい創りプロジェクト」の開始を発表した。

地方創生が政府の重要課題となっているなかで、次世代リーダーの育成、人口増につながる新しい産業の創出、住みやすいまちづくり―などを目指し、「町民が中心となって叶えたい夢を実現」していくのが目的。具体的には官民の3者が協働してプロジェクトの構築・運営を担い、町や島内外の住民・学生・企業・団体などが対話や共通体験を通じて「みらい創り」のテーマを抽出。抽出したテーマは町「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に盛り込むことも検討。これらにより、①次世代人材教育②地域資源の再発見③働き方変革④特産品開発⑤観光メニューの創出―などに結び付ける。

「対話会」の当面の対象は高校生を重視。富士ゼロックスの持つコミュニケーション技術やICT(情報通信技術)企業間ネットワークなども活用して「日本における地域創生モデル」として全国に発信。同様の活動は岩手県遠野市などでも推進。九州地区では昨年10月に長崎県壱岐市と協定を結び、鹿児島県内では今回が初という。

連携協定の締結式は町役場であり、富士ゼロックス㈱の岡野正樹常務執行役員、同鹿児島㈱の金子社長、高岡町長の3氏が調印を交わした。

先だったプレゼンで町(企画課)側は、「みらい創り」に向けた課題に、高い合計特殊出生率(3町とも全国トップ10入り)の一方で続く人口減少傾向を指摘し、「人口減少社会の中で持続可能な地域をどうつくっていくかが大きな課題」。「Uターン志向」が多い新成人アンケートも参考に、プロジェクトのキーワードに①地域資源(島の魅力)を活かした「ナリワイ(生業)」の創出②産官学「共創」による「みらい創り」も挙げた。