奄美産「津之輝」手応え

平井果樹園・平井孝宜さんの説明に聞き入るモニターの人たち

津之輝2
モニターを集めての「津之輝」試食会のテーブルには奄美の貝殻やタンカンの枝も飾られた

新潟・都内でニーズ調査
オール奄美で活動展開

 【東京】県園芸振興協議会カンキツ新品種産地育成プロジェクト班会(班長=大島支庁農政普及課・宝正己課長)は、かんきつの新品種、奄美産「津之輝=つのかがやき=」の試食評価、消費者ニーズ調査を14日から16日まで、新潟の量販店と都内の有楽町ビジネスセンターでモニターを招きグループインタビューなどを行った。他産地のかんきつとの試食比較もあり、参加者は奄美産に手応えを感じていた。

 この活動は、奄美産「津之輝」の島外出荷にあたり、知名度向上を図ることや、年末贈答品としての市場流通状況、消費者の嗜好調査を行うことで、今後の商品作りに生かすのが目的。JAあまみ、同かんきつ生産部会、市町村や県の行政関係機関が参加した。

 東京では16日に、2グループの関東周辺から選ばれたモニターが参加して消費者ニーズ調査が行われた。星野康人コーディネーターが司会を務め、▽ミカンのイメージ▽入手場所▽種類▽買うときの留意点▽色▽食べ方▽贈答したことがあるか▽奄美でミカンが作られていることを知っていたか―などを質問。モニターの人たちは、「奄美の場所もわからない」「形は悪くても味はいいものを買う」「大きいものより小ぶりを買う」「三ケ日や有田ブランドは贈答品に使う」などと回答。試食コーナーでは、「デコポン」、「紅まどんな」などと一緒に試食。モニターからは「津之輝がおいしい」との声もあがっていた。  

 今回の活動は本格出荷へ向けたものだが、生産農家で参加した平井果樹園園主の平井孝宜さんは「オール奄美でわれわれを応援してくれることに感謝している。新潟での感触も本当に良くて、直接、消費者の声を聞くことができてよかった。モチベーションがあがる」と手応えがあったことなどを話した。

 また、オール奄美での参集を取りまとめた中村一英・大島支庁農政普及課技術普及係長は「今後の農家継承のために若者農業就労の応援、そして奄美のPRを兼ねた活動。今回の活動で反応がとても良くて、ポンカンに代わる品質の良さで、来年度の出荷から人気を集めると確信している」と好感触を強調した。

 一行は、17日は築地市場で「津之輝」主要産地である佐賀や長崎からの入出荷状況を調査して帰島する予定。