ACN、児童対象に出前授業

ネコの適正飼養などを学んだノネコ問題学習の出前授業

動物の適正飼養学ぶ
生態系への影響説明も
「不幸なネコ増えかわいそう」

 奄美ネコ問題ネットワーク(ACN、久野優子代表)は16日、小宿小学校でノネコ問題学習の出前授業を開いた。同小4年生の49人を対象に、奄美大島の自然の大切さや外来種となったノネコの脅威について講義。児童らは外来種の増加による生態系への影響を学び、ネコを含めた動物の適正飼養に理解を深めた。

 ACNは奄美猫部、NPO法人奄美野鳥の会、奄美哺乳類研究会の3団体のほか、活動に賛同する個人などを中心に構成する民間団体で、昨年11月に設立。子どもたちへの普及啓発を目的に、初めて出前授業を開いた。

 最初の一時間は、野鳥の会の鳥飼久裕会長が奄美の自然について説明。アマミノクロウサギなど奄美大島の動植物を捕食する外来種としてマングースが減少した一方、「ノネコが新たな外来種となっている」と指摘。「生物が増減することで生態系に影響が出る」と解説した。

 後半は久野代表がネコの生態などについて講義した。久野代表は役所での登録や最期まで責任を持った飼養などの管理方法を推奨し、「どんな理由があっても捨てたり、傷つけたりすることは法律違反。たくさんの人がネコを大事にすることで、不幸なネコが減っていく。人間もネコも幸せに暮らし、奄美大島の自然が守られるより良い社会の実現に向け、多くの人がネコ問題を考えてほしい」と話した。

 児童からは「ネコがいろんな動物を食べていることを知らなかった」「人間のせいで不幸なネコが増えてかわいそう」「ネコを飼うときは死ぬまで責任を持って世話をしたい」などの意見があった。

 ACNでは来年度以降も出前授業を行い、啓発活動を続ける方針。