高校と大学の連携実現

Skypeを通して久保君にアドバイスを送る佐藤公則教授と大塚作一教授

ICT活用 教授と高校生 初交流
ハンディ解消、発表仕方アドバイス

 奄美市名瀬の県立大島高校と鹿児島大学大学院理工学研究科情報生体システム工学専攻との連携の第1回目の取り組みが20日、大島高校で行われた。離島との遠隔教育と高校、大学の連携の在り方の一例として実施。大学のない奄美の地域ハンディ解消や各種専門の教授らとの交流の機会が増えるよう、今後も取り組んでいくという。

 今回の取り組みは、Skype(スカイプ)を通して高校生が、同大学の教授へ研究内容をプレゼンし、助言をもらうもの。来年3月に、同大学の植物学会で発表予定の同校生物部の久保駿太郎君(2年)が参加し、同専攻の佐藤公則教授と大塚作一教授から発表内容や研究方法などについてアドバイスを受けた。

 この日は「奄美大島のシダ類の分布と初期発生」をテーマに研究する久保君が、発表のために作成したパワーポイントなどを使い、Skypeを通して教授らに説明。佐藤教授らが「1回聞くだけでは難しい内容だった。初めて発表を聞く人、専門家でない人たちに話をするということを前提に、内容を考えた方がいい。パワーポイントの作り方も、話の筋がわかるようにして」などとアドバイスする場面が見られた。

 今回の交流は、同大学との連携の一環として行われたもので、今後も講演会など様々な分野での活用を計画。同大学でも高校との連携でICTを活用するのは初めてという。

 担当する同校の渡辺豊隆教諭は「今までは生徒がオープンキャンパスのために鹿児島に行ったり、講演会などのために教授が奄美に出張に来るということでしか交流が持てなかったので、距離的なデメリットの解消になれば。生徒にとっても、専門的な大学の教授と知り合える機会になる」と語った。

 実際にアドバイスをもらった久保君は「対面でアドバイスをもらうのとほとんど変わらない。(発表は)緊張したけれど、研究の仕方などにアドバイスをもらえてよかった」と話した。