交通事故被害のクロウサギ 鹿児島市の平川動物公園へ

平川動物公園に移送されたアマミノクロウサギ=環境省提供、ゆいの島どうぶつ病院撮影=

「経過観察必要」と判断

 11月末に交通事故に遭い、保護されていたアマミノクロウサギがこのほど、鹿児島市の平川動物公園に移送された。野生復帰を目指すものの、今後も経過の見守りが必要ということから、飼育体制の整っている同園へ。一般公開の予定はないという。

 同個体は今年新たに分布が確認された奄美市名瀬の根瀬部から大和村国直に向かう県道79号線上で保護され、ゆいの島どうぶつ病院で治療を受けていた。保護後は食欲もあり、元気な様子だったものの、神経症状(右旋回など)が見られたことから、今後も経過観察が必要と判断された。

 現状から野生復帰が可能かどうかは判断が難しいとしており、環境省奄美野生生物センターの岩本千鶴自然保護官は「平川動物公園の方とも連絡を取りながら、もうしばらく様子を見る予定。野生復帰できるかどうかも今後判断する」としている。

 同園では昨年12月に徳之島町母間の農道で交通事故に遭い保護されたアマミノクロウサギ「ボマちゃん」も治療飼育中。また、このほか奄美大島でケガを負って、野生復帰が困難となったリュウキュウコノハズクなども受け入れている。