新庁舎建設 住民投票条例案を否決

住民投票条例案を賛成少数で否決した和泊町議会=22日、同町議会議事堂=

和泊町議会、賛成少数で
考える会「非常に残念」

 【沖永良部】和泊町議会は22日、本会議を開き、同町新庁舎建設計画の是非を問う住民投票条例案を賛成少数で否決した。直接請求した「明日の和泊町を考える会」の芋高生三代表は「非常に残念。今回の結果を踏まえ、これからの活動を考えていきたい」と話した。

 議会議事堂の傍聴席には報道陣のみで、地域住民の姿はなかった。

 採決前の討論では、賛成派1人、反対派3人が意見を述べた。賛成する前利悦議員は「民主主義の原則でもある少数派の意見を大事にしてほしい」「町長が言うように大多数の町民から理解を得られているとするなら、もう一度町民の意思を確認する必要がある」と訴えた。

 反対の中田隆洋議員は「現庁舎は築60年が経過し、震度5強で倒壊の恐れがある。そこで働く職員も町民であって、町にとって大切な人材であり、財産である。現在、候補業者と交渉が進む中で議会がこの議案を可決することは、作業を中止し、事業を先延ばしし、町民の福祉向上の推進を止めることになる」と主張。橋口和夫議員は、町執行部が町民への情報開示や、事業規模の縮小などに努めている点を評価した上で「執行部は、議会と議論を重ねてやってきた。勇気を持って庁舎建設に邁進してほしい」と述べた。

 議長を除く11人による起立採決の結果、賛成1、反対10で否決された。