12月後半 地場産主流に

12月後半に入り青果物では地元産品の入荷が増えている(名瀬中央青果でのセリの様子)

地元市場取扱の青果物 量まだ少なく若干高め

 新鮮な野菜や果物などを取り扱う地元市場の名瀬中央青果㈱(福山治社長)。今年は全国的な天候不順が農作物の生育に深刻な影響を与え特に野菜の高騰となって表れたが、現在の同青果の取扱は地元で生産されている地場の青果物が主流となっている。キャベツやダイコンなどが入荷しているものの量は例年に比べるとまだ少なく価格は若干高め。「お正月用需要」を前に消費者にとって需給動向が気になるところだ。

 名瀬中央青果に入荷している野菜を地場産と島外からの移入品に分けると、冬場は地場産が多く12月後半の現在は7対3の割合。移入品に頼る状態となっていた夏から秋にかけては全国的な価格高騰の影響が及び11月まで高値となっていたが、12月に入ってからは落ち着き始め、現在は平年並みの状況という。

 現在の取扱品をみると、地場産で入荷しているのは奄美市笠利町など北大島から出荷されているキャベツやダイコンのほか、葉物ではホウレンソウ・コマツナ・フダンソウ・ニラなども。シイタケも多く出回っている。冬場に入り量が増え始めたもののまだ少ない。キャベツで比較すると、昨年は12月1カ月間で約1万5千㌔、一日平均約600㌔の入荷があったが、今年の場合、日量では270㌔(今月20日取扱)と昨年の半分にも届いていない。量が少ないためキロ当たり平均単価は高く、昨年の平均単価70円に対し193円と上昇している。

 奄美では年越や正月用食材として需要があるダイコンも同様。昨年は12月1カ月間で約4400㌔の入荷量があったが、今年はまだ少なめ(今月20日の日量280㌔)。今月後半に入って量が増え始めているものの、サイズは高値となる大き目のものが少ないという。「入荷の遅れは奄美の場合、気温が影響しているのではないか。高温傾向が作物の植え付け時期のずれ等を招き、それによって生育の遅れがみられる」(中央青果)。

 青果物を受け入れるに当たり市場側が産地に出向く対応もとっている。専用車(2㌧車)を使っての集荷で、名瀬地区の農村部(古見方や下方)のほか、龍郷町や笠利町まで直接出向いて集荷している。生産者のなかには高齢者も多いことから、市場まで青果物を運ぶ労力負担が解消されるとして好評で利用増につながっている。