県市町村課はこのほど、2016年度9月末時点における、43市町村のふるさと納税の寄付金状況をまとめた。県全体では前年同期比約2・8倍増の31億9594万8千円。寄付件数も同3・3倍増の16万3349件と大幅に増加した。インターネット上のサイトを活用した返礼品の充実などが増加要因とされるが、取り組みには自治体間の格差も存在する。
県内の寄付金額のトップは志布志市の7億8641万円。以下鹿屋市4億3487万円、大崎町3億4454万円、南さつま市2億8798万円などと続く。寄付件数も最多は志布志市の3万5383件で、前年同期比で約6・7倍の伸び。同市など5市町で1万件を超えた。
奄美群島12市町村をみると、寄付金額の最多は瀬戸内町の2446万円で、以下徳之島町2227万2千円、奄美市1685万8千円、天城町548万5千円などの順。最下位は龍郷町の27万円だった。
寄付件数は徳之島町の1733件が最多で、前年同時期より約45・6倍増。同町では6月からふるさと納税に関するサイトをリニューアルし、黒糖焼酎など町内の特産品を掲載したところ、寄付が急増したという。また、町が定める七つの事業から寄付金の使途を寄附者が選択でき、すでに寄付金の一部を活用して、野生動物の輪禍を防ぐことを目的とした林道への減速帯の整備などを行った。
同町担当者は「地元の特産品を返礼品とすることで、特産品を生産する過程での雇用など、地元経済の活性化が大きなメリットとなる。いただいた寄付金は国などの補助率が低い事業に使うことができ、自主財源として活用できるのでありがたい」と効果を説明。同町では来年1月4日からふるさと納税の受付を再開するとともに、新たな返礼品も増やす予定だ。
一方、群島12市町村のうち、大和村、宇検村、龍郷町は前年同時期と比べ、金額、件数ともほぼ増減がない。特に龍郷町は金額、件数とも県内43市町村の中で最も少なかった。
同町では町広報紙で、返礼品を提供する事業者の募集を開始。町は「返礼メニューを充実させ、来年4月からサイトを活用してふるさと納税の募集をしていきたい」としている。