夢だったという、教会でのピアノ演奏を披露する指宿桃子さん
奄美のシマ唄について解説する指宿さん
指宿さんの「六調」で盛大に盛り上がる礼拝堂
【東京】「礼拝堂に奄美の風が吹いた~!」。東京都台東区の上野の森キリスト教会で25日、クリスマス・キャンドル礼拝終了後のイベントに奄美出身の唄者・指宿桃子さんが登場。ピアノの演奏とシマ唄などを披露、盛んな拍手を浴びていた。
同教会はこの日、特別プログラムとして「クリスマス・キャンドル礼拝」を開催。参列者の手によって、キャンドルが配置され、祈祷、聖書朗読、説教、全員での讃美歌の斉唱など聖者の誕生を祝うムードにあふれるセレモニーが進行していった。
そんな礼拝が終わった後に、韓国の太鼓やハワイのフラで良き日を飾る演目がスタート。スペシャルゲストとして紹介され、舞台の前に出た指宿さんは、やや緊張した表情。グランドピアノの鍵盤に指を落とすとバッハ「平均律1番」とバルトーク「ルーマニア民族舞曲」を流麗に演奏した。
続いて奄美のシマ唄の「朝花節」を、「出会いを感謝する唄」と解説をして歌い上げた。その後、おなじみの「島のブルース」を歌うと、会場からは手拍子が沸き起こる熱気にあふれていた。
さらに、当初の予定にはなかった「六調」が主任牧師の重田稔仁さんからリクエストされると、この日の指宿さんを応援するために集まった人たちがステージの前に集結。指宿さんの熱唱に合わせ、喜びの踊りを展開した。
指宿さんは「教会で歌うのが夢でしたから」と、初めての体験に満足げな表情。参列者にクリスマスプレゼントとして贈った演奏は、自身にとっても大きなプレゼントとなったようだ。
この日、初めて奄美の島唄が教会に響いたのは奄美大島生まれの重田さんが、奄美2世の林法義さんに働き掛けたことがきっかけで実現。これを機に、重田さんは定期的に奄美の音楽を教会から発信できれば、との思いを描いている。指宿さんは、伊成実さんとのユニット・すももでも活動。12月17日に、ファーストアルバム「すもも」をリリース。セントラル楽器などで発売されている。