任務の源「船めし」公開

完成した「船めし

ふなめし調理
献立の鶏飯の具を盛り付ける主計課の職員ら

巡視船あまぎ・主計課職員
3人チームワーク、腕振るう

 奄美海上保安部(佐藤至部長)は22日、所属の巡視船あまぎ船内で、海上保安官の業務について理解を深めてもらおうと、乗員らが食べる「船めし」を公開した。担当する主計課職員3人が、航海中などに乗組員らの任務の源になる食事メニューに腕を振るった。

 航海中に取られる1日3回の食事は「船めし」と呼ばれる。同船では、船務主任主計士の田中雄一さん(48)、藤崎悠さん(29)、持増怜さん(19)の3人が担当。リーダーの田中さんを中心に、ときに相談も交えメニューを考えている。

 潜水士でもある藤崎さんが、訓練、海難が発生した時などに空けることもあるが、そのような場合でも、2人で対応し間に合わせるという。「3人のチームはやりやすい」(藤崎さん)と笑顔を見せる。

 田中さんは、30年ほど船めしを担当するベテラン。「野菜を多めに、できるだけ家庭の味に近い献立を心掛けている」(田中さん)。クリスマスケーキや、正月を迎えて雑煮など、行事に合わせた献立も取り入れているという。

 特に沖合など調理中、船体が大きく揺れることもあり、滑り止めの道具などを使い作るというが、出来上がった料理に道具を敷き忘れ、床にこぼしてしまったというエピソードも紹介された。

 同日の献立は、奄美の代表料理の鶏飯。3人は具である漬物、卵などを刻んだり、鶏肉を手でちぎったりと、分担。千切りにする包丁さばきなど、確かな腕前を見せていた。