喜界町でフォローアップワークショップ

喜界町で行われた「サンゴ礁生態系保全行動計画2016―2020」フォローアップワークショップ

環境教育や汚水対策意見かわす
サンゴ礁保全計画

 「サンゴ礁生態系保全行動計画2016―2020」フォローアップワークショップ(主催・環境省、鹿児島県)が12日、喜界町の喜界島第一ホテルであった。2016年3月に策定した同計画について、各地で進められている取り組みを報告。有識者や関係機関の担当職員など約40人が参加し、サンゴ礁を活用した環境教育の進め方や、赤土や汚水処理問題への対応など、今後の計画実行に必要となる取り組みに関して意見を交わした。

 環境省では、これまでもサンゴ礁生態系保全行動計画の実施状況の点検と適切な見直しを目的に、フォローアップ会議を実施。今回のワークショップでは、昨年3月に策定した同計画の2016―2020について、各地で進められている取り組みのフォローアップするため、互いの実施状況について情報共有するために行われた。

 県内からは奄美群島、屋久島、県南部沿岸におけるサンゴ礁の現状と取り組みを地元で活動する専門家がそれぞれ報告。奄美群島については興克樹さん(ティダ企画代表)が過去に発生した白化現象やオニヒトデの大量発生などのサンゴ礁被害を説明し、「近年はオニヒトデの駆除数は少なく、群島内での大発生は見られない」などと報告した。

 また、沖縄、鹿児島、宮崎、愛媛の各県と農林水産省、サンゴ礁学会などがそれぞれの重点課題への取り組み状況を報告。鹿児島県では重点課題の一つである「陸域に由来する赤土等の土砂及び栄養塩などへの対策の推進」について、奄美地域赤土等流出防止対策協議会の開催により、奄美の関係機関が一体となって赤土等の流出防止について協議していることや、汚水処理人口普及率(下水道、農業集落排水施設等、浄化槽、コミュニティ・プラントの各汚水処理施設の普及状況を人口で表した指標)の向上を進めていることなどを報告。特に、沖永良部島(和泊町・知名町)では普及率が97~98%と、全国の89・9%(鹿児島県77・7%)を上回っていることなどを説明した。

 意見交換では子どもへの教育活動の在り方について、学校との協力体制の確立が必要という面から、沖縄県八重山の事例を掲げ「保護者も交えた教育」を提案する場面もあった。また、日本のサンゴ礁保全の取り組みに対して、「人が暮らしながらうまく保全活動していることは、世界にもPR出来る部分だと思うので、世界に発信すべきでは」などの意見もあった。