増殖試験中の藻場など視察

北薩地区漁業士会は増殖したホンダワラを視察した(写真は龍郷町番屋漁港)

龍郷町で北薩漁業士会会員
「再生は大きな課題」

 県北沿岸を拠点に活動する北薩地区漁業士会(鴨川一成代表、会員8人)のメンバーが13日、奄美大島入りし、龍郷町の番屋漁港内に増殖するホンダワラを現地視察した。鴨川代表は「急激に減少する沿岸域の藻場の再生は大きな課題。この機会に奄美で取り組んでいる漁業を学びたい」と語った。

 研修会は、同会の全メンバー、県北薩地域振興局の職員1人が来島。この日は、奄美漁協龍郷支所関係者の案内で、漁港の船揚げ場周辺で増殖するホンダワラを視察。会員は、水深1㍍、直径2㍍の範囲で護岸に着定する様子に見入った。

 同漁協の田畑浩理事によると、湾内に残るホンダワラ母藻群の保全のため、7年前からメーカーと共同で試験事業を実施。視察した藻場について、ホンダワラを保護するゲージの洗浄作業時、胞子が海に流れ込んだものと説明した。

 田畑理事は「環境次第で他所の藻が定着する好例として、大学など研究機関も注目している」と述べると、会員は試験内容や今後の取り組みなどを質問。ある会員は「地元ではアオサやヒジキが減少しており、今後の対策に検討したい」と話した。

 一行は今回、1泊2日の日程で、同島内の漁協や関連施設などを回る予定。同日、奄美市笠利町の奄美漁協を訪れ、「ウルトラファインバブル(超低酸素水)発生装置」施設も見学した。