鹿教員ク、全国クラブ選手権初出場

初の全日本クラブ選手権出場を勝ち取った鹿児島教員クラブ(写真提供・古田さん)

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全国での勝利を目指し練習に励む鹿教員クのメンバーら=鹿児島商高体育館

高い「志」 若者へ
奄美出身・鶴(朝日中卒)もメンバー

 【鹿児島】男子バスケットボールの鹿児島教員クラブが九州クラブ選手権(2月4、5日・沖縄)で5位となり、全日本選手権(3月18―20日・群馬)初出場を勝ち取った。再び全国を目指そうと活動を始めてから2年あまりで、目指す「全国」の舞台への挑戦権を得た。

 鹿教員クは、かつて全日本総合選手権(オールジャパン)でベスト8入りするなど、鹿児島の社会人バスケット界をけん引していた。2008年にプロチームのレノヴァ鹿児島(現鹿児島レブナイズ)が発足する母体になった。レノヴァ発足と同時にプロに転身した選手たちが抜け、チームの活動は縮小。「練習に2、3人しかいないこともあった」と古田仁さん。鹿教員クのトレーナーだった古田さんが「鹿児島でバスケットを頑張ってきた若者が、プロ以外でも全国を目指せるチームを鹿児島にも作ろう」と呼び掛け、アシスタントコーチだった図師淳一氏がヘッドコーチになり、14年9月から本格的な活動を再スタートした。

 選手は現在15人。教員だけでなく、専門学校生や淵上聡彦、尾崎貴志、藤原岳志、小野将らレノヴァ出身の元プロ選手も所属している。練習は水と土日のいずれか週2回。特定の練習場はなく、公共や学校の体育館を転々としている。

 選手の職場も志布志、出水、鹿屋とバラバラで、練習は夜遅く、全員がそろうことも少ないが「このチームで勝ちたいと思うメンバーが集まっていて、良い練習ができている」と淵上主将。プロ引退後、教員となり出水高で高校生を教えているが「自分がもっとうまくなることが、子供たちへの刺激になる」。九州選手権後、古傷の右足首を手術しリハビリ中だが「全国までには間に合わせる。バスケットがやりたくて仕方がないです」と笑う。

 27歳の鶴亮平は朝日中出身。母校の鹿児島商高で非常勤講師をしながら教員採用を目指し、選手も続けている。多忙な毎日だが「ここで淵上さん、尾崎さん、藤原さんたちに教わったことが、部活の指導や学校で生徒を教えるときにも役立っている」と充実している。

 粘り強い献身的な守備を基本スタイルとしており、練習では基礎練習のフットワークも必ず取り入れる。九州選手権では、予選リーグでDRUNKARD(大分)に100―67で勝利。元bjの黒人選手を2人擁するCHECK MATE(沖縄)に、前半は僅少差で食らいつくも最後に離されて69―94で敗れ、全国への夢はついえたかに思われたが、CHECK MATEが優勝し九州5位で全国出場が決まった。「まだまだやれる力はある」と図師コーチ。全国では「まず1勝。若い選手たちが全国を知り、経験を積ませたい」と意気込む。
(政純一郎)