「めざせ、世界自然遺産の徳之島」

約350人が参加したボランティア大作戦(伊仙町きゅらまち観光課提供)=19日、同町ほーらい館前広場

クリーン第作戦1
14班に分かれて美化ローラー作戦を展開した参加者たち=19日、天城町

明治大、虹の会共催 美化大作戦に350人

 【徳之島】「めざせ!世界自然遺産の徳之島 ボランティア大作戦!」と銘打ち、春季合宿で来島の明治大学体育会ローバースカウト部(平良仁志監督)とNPO法人徳之島虹の会(行山武久会長)が呼びかけた美化活動が19日午後、徳之島3町であった。幼児から80代まで約350人が参加。14班に分かれて総延長約30㌔を歩き、路傍にポイ捨てされた空き缶などを拾い集め、環境保全意識の向上を訴えた。「世界自然セミナー」でも交流した。

 明治大一行80人は18日に同島入りしてキャンプ生活での島内冒険や奉仕、交流プログラムを体験している。徳之島虹の会と連携したボランティア大作戦は、自然・歴史・島の人々と関わって理解を深め、世界自然遺産登録に向けた普及啓発への貢献―を目的に企画した。徳之島高校をはじめ3町の多くの団体・個人が呼応した。

 伊仙町ほーらい館広場であった開会式では、明治大同部の水谷百花主将(3年)や平良監督のあいさつに続き、徳之島高の崎海斗さん(3年)が自然環境保全など決意を宣誓。マイクロバスで班ごとに分散して伊仙町伊仙―徳之島町大原、徳之島町徳和瀬―天城町瀬滝間の主要3ルートに双方向からアタック。約2時間の作業後、伊仙町役場駐車場に集積されたその総量は、空き缶やペットボトルを中心に軽トラック約30台分だった。

 閉会式で、明治大代表は「自然が美しい島に、ごみが落ちていたのにはすごく驚いた。この活動だけで終わらせず、今後の生活への意識づけが大事。徳之島高生とも交流できて良かった。島の皆さんの温かさも知った」。徳之島高の川嶺咲さん(2年)は学生らにお礼を述べながら「ごみのポイ捨てが減って、少しでも世界自然遺産に近づけて欲しい」。また水谷主将は閉会あいさつで「島民の方々の温かさや自然からいろんなことを学んだ。この島には人間の破壊にも負けない力強い自然があることも感じた」とアピールした。

 この後、ほーらい館であった世界自然遺産セミナーには部員や徳之島高生など約150人が参加。環境省の吉野琢哉自然保護官補佐と虹の会の美延睦美事務局長が同島の自然の豊かさや課題、取り組み現状などを紹介。明治大の水谷主将と木村眞哉さん(3年)、徳之島高の神田美紅さん(3年)が課題テーマを発表。引き続き食事会でも交流を深めた。