「ガジユータ ケンムンの住む島奄美」

劇を披露する地元住民ら

奄美の住民、創作舞踊劇で熱演
一流ダンサーと共演

奄美をテーマにした創作舞踊劇「ガジユータ ケンムンの住む島 奄美」が19日、奄美市名瀬の奄美文化センターで公演された。元シルクドソレイユソロダンサーで、国民文化祭かごしま2015のオープニングフェスティバルの総合振り付けを担当した谷よう子さんが演出・振り付けを手掛けた劇。谷さんやシルクドソレイユ登録ダンサーのほか、未就学児から大人まで地元住民約90人らが出演し、幻想的な劇で観客約1500人を楽しませた。

国文祭かごしまの成果を受け継いで文化芸術振興を図ることが狙いの県の事業「かごしま文化維新プロジェクトACT」の今年度のメーンイベント。プロジェクトは2018年度までの3年間が実施期間で、毎年開催地を変える計画。今年1月には、奄美に伝わる「八月踊り」をテーマにしたトークセッションや、今回の劇のセットや衣装を大島紬の泥染めで作るイベントを実施した。

谷さんは奄美市の地域おこし協力隊で、出演した地元住民は同市を通じて集められた。「ガジユータ」はガジュマルとユタ(奄美の民間霊媒師)を合わせた言葉で、出演者は昨年10月頃から練習を重ねてきたという。

劇は奄美の自然、生き物、歴史、民話、郷土芸能をモチーフにしたもので、谷さんらダンサーや縄跳びなどのパフォーマーが一流のステージングで魅了。地元住民もダンスや八月踊りなどで好演し、島唄や島口(方言)が披露されるシーンも。立ち見も出た会場は劇の世界に引き込まれ、大きな拍手を送っていた。

同市名瀬の高橋由美子さん(33)は「奄美の踊りなどをかっこよく表現していた」と話した。

谷さんは「奄美の人々と世界から集まってきたプロの方とこの奄美で出し惜しみのない公演をするのを追求してきて素晴らしいものができた」と語った。