「いせん寺子屋」閉所式

「いせん寺子屋」で、自分たちで作った電気に感動する受講生たち=25日、伊仙町

小学2年~高校3年生まで47人が学んだ16年度「いせん寺子屋」閉所式(皆勤賞授与)

17年度は通年約35回開催へ
受験・郷土学習支援
伊仙町

< 【徳之島】伊仙町が、児童生徒の学習支援対策の一環で1月に開所した2016年度「いせん寺子屋」の最終第10回講座および閉所式が25日、町歴史民俗資料館であった。東大ネットアカデミーとのオンライン双方向授業の受験対策や、郷土の歴史・文化・自然など「徳之島学」まで小学2年~高校3年生の47人が受講。うち7人が皆勤賞を受賞した。17年度はより充実させ通年開催していくという。 合計特殊出生率日本一の町で育った元気な子どもたちが、その能力と可能性をさらに伸ばし、将来的に徳之島、日本、そして世界で活躍できる人材となるための学習支援が目的。町が構想する学習支援センター(図書館など)の建設・運営に備える。地方創生推進交付金とふるさと納税を活用、初年度事業費は約140万円を充てた。 講座は、土曜日の午前中約3時間半ずつが基本。現役東大生によるオンライン授業の受験対策、島内外の専門家ら講師を起用して徳之島の伝統・文化・自然を学ぶ「徳之島学」、IT関連のキャリア教育―などを実施。 その最終回は、新技術開発コンサルタントの日本ミクニヤ㈱(大阪市)執行役員の市村康氏(53)=同町小島出身=を講師に、テーマは「ソーラーパネルで街灯をつくろう」。受講生らは再生可能エネルギーの種類や特性などにふれた後、太陽光パネルと充放電チャージコントローラーなどを接続。曇天下の室内でもLEDライトをまばゆく発光させた自然の力に驚嘆。自分たちで電気を作ることができた感動や、再生可能エネルギーの大切さなど1人ひとりが感想を発表した。 閉所式では直章一郎教育長が「継続は力。学習の努力は決して裏切らない。夢に向かって頑張って欲しい」と修了者たちを称賛。徳之島高普通科3年生で島根大に進学する崎海斗さん(18)は「徳之島の事を知ってより好きになった。将来は島に帰って役立ちたい」。鳥取環境大に進学する牧園善樹さん(18)は「出身地の事をたくさん話すことができる。来年度も続けて欲しい」とあいさつした。 担当の町地方創生課によると、17年度は4月下旬ごろの開所を予定。語学など新規講座・テーマの種類や講師陣の幅も広げ計35回程度通年開催。高校生の受験対策は夏休み期間中の集中開催も検討中という。