「すっじゃ!ⅰnすみだ」

「作」の前で、黒糖焼酎を楽しむ参加者ら

すっじゃ墨田写真2
10人で参加した鍋島さん一行。おいしい酒はおいしい時間を作る

すっじゃ墨田写真3
初めて黒糖焼酎を口にする人や、黒糖焼酎のコアなファンでにぎわう「だれやめ」の店内

すっじゃ墨田写真4
奄美に行って黒糖焼酎のファンになった湯浅さんも友達と参加

奄美から2蔵元参加自慢の焼酎提供
街おこし・人気拡大へイベント

 【東京】鹿児島の焼酎で墨田を盛り上げようと、鹿児島の地焼酎を楽しむ会「すっじゃ!inすみだ」がこのほど墨田区で開かれた。約200人が参加、笠間焼のぐい飲みを片手に、錦糸町南口界隈の会場となった店をまわり、九つの蔵本の地焼酎を楽しんだ。奄美からは奄美市の㈲富田酒造場、喜界町の朝日酒造㈱が参加、お店で待機し、蔵元ならではの話を交えながら自慢の焼酎を提供、参加者らと交流した。

 会は、今年で7年目になる。主催した㈱東京アート印刷所の山田直大さんは、毎年6月に開かれる鹿児島の焼酎イベントに出席した際に、その盛り上がりに感動し「日本酒の例はあるが焼酎なら売りになるのでは」と、鹿児島の㈲コセド酒店の協力を受け、イベントを企画。数年前からは酒蔵も参加し、錦糸町の街おこしと、焼酎の人気拡大を図っている。

 今回は、受付会場で参加したすべての蔵元の酒を試飲の後、参加者らは参加の証となる笠間焼のカップを受け取り、会場となったお店に流れていく仕組み。錦糸町駅南口の八つの飲食店に、地焼酎の蔵元が待機、参加者は蔵元から焼酎の特徴などを聞きながら、酒を味わった。東京ではなかなか味わうことの出来ない地焼酎が味わえるとあって、年々焼酎愛好家に広まっている。つまみはキャッシュオンデリバリーで300円~500円と気軽な値段で、お店ならではのアイデアが生かされた料理が用意された。

 朝日酒造が試飲できる会場となったお店「作=ざく=」では、店の外には立ち飲みの人も並んでいる盛況ぶり。お客の一人、3回目から参加しているという石川裕康さんは「お酒の個性が楽しめるのがいいですね。自分で欲しいと思っても近所で買えないのが残念です」と話す。この会を知るまでは、それほど地焼酎を意識したことはなかったという。店の外で立ち飲みし、そのまま次の店に仲間たちと流れていった。

 満員の店内では、朝日酒造の橋本一正さんがお客さん一人一人に焼酎を振る舞いながら、喜界島の話を交えて黒糖焼酎を説明した。原酒や減圧蒸留で25度に調整され飲みやすいと人気の「たかたろう」を提供、女性客や、初めて黒糖焼酎を口にする客らの人気を集めた。

 10人で参加した鍋島裕俊さんは「お互いには初対面の人たちも集めました。お店を回りながら、だんだん打ち解けながら“飲みにケーション”できたのでよかったです。酒よし、肴よし、店よし、蔵元よし、仲間よしと五よしがそろいました」と話す。「作」のオーナー神作秀幸さんは、黒糖焼酎を使った豚バラ大根煮や奄美の醤油で漬けたうずらの卵醤油漬け、黒糖スイーツなど、この日のために考えたメニューを提供した。

 富田酒造場は、富田真行さんが「だれやめ」で待機。奄美二世の福永健太さんがオーナーということもありお店の方から、奄美つながりで富田酒造を希望したという。
 こちらも、店内狭しと参加者らが詰めかけ、かめ仕込みならではの味わいのある黒糖焼酎を味わった。今回のイベントに合わせて、はしご酒にもってこいの15度の「蔵和水 竜宮」を用意した。ボトルのまま温められるとあってストレートの熱燗で人気を集めた。

 奄美に行ってきたばかりという湯浅忠成さんは「奄美に行って黒糖焼酎を知りました。素晴らしい自然とおいしい食べ物とお酒、奄美は最高ですね」と話した。
 富田酒造場のかめ仕込みならではの話を聞きながら、参加者らは酒と肴に舌鼓を打った。