校門で写真に収まる(前列左から)楓花さん、凰さんや(後列右から)真由美さん、浩人さん。ほかは教職員ら。
休校になっていた瀬戸内町請島の池地小学校が6日、新1年生1人と新3年生1人を迎え入れ、3年ぶりに再開した。同島は人口約90人の小さな島。同日は入学式があり、住民ら約60人も出席、2人仲良く楽しい学校生活を送ってくれることを願い、島内唯一の小学校の再開を喜んだ。
新1年生は三ノ京楓花さん、新3年生は野崎凰さん。三ノ京さんは父親の浩人さん(52)が同島出身。野崎さんは母親の真奈美さん(36)が同町古仁屋育ちで、同町在住の母方の祖母が同島出身という。
同町古仁屋で仕事に就いていた浩人さんは、高齢化率の高い同島のため地域活性化活動などで役に立ちたい思いや、自然に恵まれた環境の中で子育てしたいという思いがあり、帰郷。子どもの存在で島を元気にしたいという。今月から池地集落の区長を務めており、今後島で農業や民宿をする予定。妻の順子さん(42)は今月から同校の用務員に就いた。
同町古仁屋に住んでいた真奈美さんは凰さんらと同島を訪れる中で凰さんも同島を気に入ったため「自然の中でゆっくり暮らしてみたい」と、息子の竜翔君(4)ら家族で移住。凰さんは古仁屋小から転校。真奈美さんは今月から池地郵便局で働いている。
池地小は1897年に創立。児童数は1960年には176人となりピークを迎えたが、2003年からは一桁台に。14年度から池地中とともに休校になった。
入学式では礒口英樹校長が「池地小は3年間お休みしていましたが楓花さんの入学と凰さんの転入でまた学校が始まります。地域の方々も喜んで校内や学校の周りをきれいに掃除してくださいました」とあいさつ。
鎌田愛人町長が「新3年生の野崎さんと仲良くして先生の言うことをよく聞き何事にも最後まで頑張る生徒になってください」と祝辞。保護者代表で浩人さんが「元気に勉強して給食もたくさん食べて、凰お姉ちゃんと楽しい学校生活を過ごしてください。野崎凰さんも転校してたくさんの不安があるかと思いますがお姉さんとして学校での過ごし方を優しく教えてくださいね」と述べた。
凰さんは「漢字が2年生の時から好きなので漢字を頑張りたい」。池地集落元区長の福島秀応さん(75)は「これからも校庭の掃き掃除などを集落でしていきたい」と話していた。