金久が初の3位・男子

3年生6人で初の3位入賞を勝ち取った金久=蒲生体育館

県中学バスケット選手権

【鹿児島】2017年度バイオレーラカップ鹿児島県中学生バスケットボール選手権大会は20―23日の4日間、姶良市の蒲生体育館などで熱戦が繰り広げられた。

奄美勢では男子の金久が初の4強入り。準決勝では優勝した池田に第4クオーター途中までリードするも、53―64で逆転負けだった。シード決定戦では伊敷台に86―64で勝利した。

3年生6人、逆境をバネに快進撃

奄美勢男子 11年ぶりの快挙に 金久

【準決勝・池田―金久】第3クオーター、金久は大迫がシュートを決め31―28とリードする=蒲生体育館


金久は堂々の3位入賞を勝ち取った。チームとしては県大会初の4強であり、奄美勢としては昨年の女子の朝日に続いて、男子では06年の小宿以来11年ぶりの快挙だった。

最終日、金久のベンチには選手6人しかいなかった。2年生が修学旅行のため第2日の2回戦の後に帰島。竹島卓依主将は骨折して出場できなかったので、3年生6人だけで3回戦以降を戦わなければならなかった。

ベストメンバーがそろわない逆境だったが「人数が少ないからこそできるバスケットをやる」(隈元駿平副主将)意気込みで結束。4回戦でシード東谷山、準々決勝で川内北を下し、初の4強入りを果たした。準決勝の相手・池田は2月の新人戦で38―66と大差で敗れた相手だったが「勝って優勝する」(隈元副主将)と強い気持ちで臨むことができた。

やれることは限られているが、その分迷いなくやり切る強さがあった。179㌢の大迫は日ごろ、自分より小さな選手が相手なので遠慮するところがあったが、池田の大きなインサイド陣に臆することなく攻め続け、得点を重ねた。苦手な守備でも、全員がボールへの反応の速さを生かしてパスカットを続け、リバウンドやサポートなど、島で培ったチームワークを存分にぶつけた。第3クオーター終了まで48―43と5点リード。第4クオーターは足が止まり、経験で勝る池田に逆転を許したが、新人戦の頃とは格段の成長を示すことができた。

「何物にも代えがたい経験を積むことができた」と指導する平純陛コーチ。4日間を勝ち抜き、7試合を戦っただけでなく、宿所での過ごし方など、県を制するために離島のチームがやらなければならないことを体感できたのが、7月の県総体に向けて最高のシミュレーションになった。隈元副主将は「自信がついた。チーム全体でもっと努力して県総体は優勝を目指す」と燃えていた。
(政純一郎)