参加した職員はシートベルトの正しい着用を学んだ
今月17日、県本土で介護施設の送迎車と軽自動車が正面衝突し、デイサービス利用のため送迎車に乗っていた80歳代の女性2人が死亡した事故を受け、奄美署は23日、奄美市名瀬の大島郡医師会病院(平瀬吉成院長)で緊急の介護送迎車安全講習会を開いた。参加した職員は、後部座席のシートベルト着用や運転前の体調管理の徹底を確認。交通事故の未然防止に向け意識を高めた。
県本土の事故から2日後、栃木県でデイサービスの送迎車が車と衝突し、送迎車に同乗していた高齢者3人が死傷するという同様の事故が発生。同署は管内の高齢化が高い地域性から、デイサービスを運営する医療・福祉機関に講習会を打診し、他所に先駆けて開催が実現した。
この日は、同病院、介護老人保健施設「虹の丘」、特別養護老人ホーム「住用の園」の職員など約30人が参加。 同署の久保和隆交通課長は送迎担当者に対し、①運転前の身体チェック(必要があれば運転交代)②交通安全の徹底③車間距離の確保―を講話。また実車講習では、後部座席に座った職員にシートベルトの正しい着用法として、「首にかからない」「必要以上に腹部を締め付けない」などの確認を指導した。
久保課長は「高齢化が進み、介護サービスの場面も増えていくと同時に、送迎時の事故の可能性も上がる」と指摘した上で、「車両スピードを抑え、同乗している利用者への配慮など余裕を持った運転を心がけてほしい」と訴えた。
大島郡医師会病院では、現在デイケア・デイサービスで職員11人、グループ施設「虹の丘」で10人が担当。送迎バスの運転担当者は1人、その他の職員全員がワゴン車や軽自動車で送迎を行う体性という。
同病院で通所業務を担当する森田英樹看護師長は「事故の未然防止に向け、職員間の交通安全の共通意識の維持に努めたい」と語った。
同病院作業療法士の武下真央さん(23)は「送迎時、乗車した利用者や患者の状態に気を付けられるよう心がけたい」と話した。