「表面雨量指数」を導入

防災担当者が地震について学ぶ、防災気象連絡会総会

防災気象連総会 大雨警報の発令基準変更

名瀬測候所防災気象連絡会(会長・村井健治所長、会員29機関)は2日、奄美市名瀬のAiAiひろば会議室で2017年度総会を開いた。7月から運用される気象庁の警報・注意報の新基準や、地震について同所職員からの講話があった。関係機関の防災担当者らは災害時の対応を学んだ。

同会は奄美大島の自治体、消防、関係事業所で構成。この日は約30人が参加した。村井会長は最近の奄美地方の気象概況を述べた後、「災害に対しては日頃から対策が重要。自然災害の犠牲者ゼロを目指して、関係機関と協力していきたい」とあいさつした。

気象庁が大雨警報の発令基準を変更することなどを同所の佐々木康夫予報官が説明。それによると大雨警報は従来、雨量のみを基準として発令されていた。7月ごろからは、短時間強雨による浸水害と相関が高い指標「表面雨量指数」を導入するという。

同所の小野貴広技術専門官は地震と津波のメカニズムや奄美地方での地震発生の可能性について解説。プレート境界にあたる奄美大島近海(太平洋側)を震源とした海溝型地震の可能性を指摘。津波が発生すれば太平洋側だけでなく、東シナ海に面した同市名瀬などでも大きな被害があることが予測されるという。

黒田予報官は「海の近くで地震を感じたらすぐに安全なところに逃げてほしい」と呼びかけた。

九州電力㈱奄美配電事業所の久木田浩次郎配電グループ長による「熊本地震の対応について」の講話もあった。講話の中では熊本地震以降の停電への対応として全国各地の電力会社から高圧発電機車が約150台配備されたことなどを紹介。本震発生後から5日程度でほとんどすべての家庭の停電を解消したことを説明した。