ハワイとの姉妹盟約可能性を調査

世界自然遺産登録推進に向けて課題を協議した

世界自然遺産奄美トレイルで
登録推進協IUCN調査で質問も

2017年度「奄美群島の世界自然遺産登録推進協議会」(会長・朝山毅奄美群島広域事務組合管理者)は1日、奄美市名瀬の奄美会館であった。環境省・県自然保護課・県大島支庁などから、世界自然遺産登録に向けた取り組みを報告。首長からは、世界自然遺産登録前に実施されるIUCNの調査日程に関する質問等が出された。

会長あいさつに続いて、環境省奄美自然保護官事務所の千葉康人上席自然保護官が登録に向けた動きをフローチャート図で解説。県自然保護課奄美世界自然遺産登録推進室の大西千代子室長は、登録に向けた課題と具体的取り組みを「奄美群島持続的観光マスタープラン(概要)」の資料を用いて説明した。

また、県が今年度予算計上した▽奄美群島世界自然遺産候補地保全・活用事業(5165万2千円)▽奄美群島世界自然遺産交流連携推進事業(722万2千円)▽奄美自然観察の森整備事業(5600万円)―を例示。交流連携推進事業では、「世界自然遺産奄美トレイル」と米国・ハワイ州のトレイルとの姉妹盟約の可能性調査に取り組むことが報告された。

県大島支庁衛生環境室の野田俊一室長は、昨年実施した「奄美群島世界自然遺産登録サポート事業」の成果を紹介。今年度も同様の事業に取り組み、普及啓発や希少野生生物の保護対策などを積極的に推進すると発表した。

奄美群島広域事務組合からは、16年度のエコツーリズム推進事業の実績報告と17年度の事業計画を報告。同組合はエコツアーガイドの育成に取り組み、「初期段階育成事業で延べ401人の研修を実施し、17年度に始まった認定ガイドの講習会に奄美・徳之島・沖永良部の3島の協議会所属ガイド59人が受講した」と発表した。

報告事項の後に、質疑応答を実施。首長から「IUCNの調査日程は、事前に判明するのか」と質問があり、環境省から「抜き打ち調査はない。日程が分かり次第で関係市町村には連絡する」と回答が行われた。

永井章義県議から、会を総括して「各関係機関で協力して登録に向けた課題に取り組む必要がある」。他にもノネコ対策やアマミノクロウサギの生態研究などの質問や意見が出された。