「Chinacyo」命名記念式典

元JAXA職員の寺門邦次さん(右)と平安正盛知名町長(左)に命名認定書を手渡す天文家の渡辺和郎さん(中央)=知名町=

「郷土の名前付いた小惑星忘れないで」
天文家の渡辺さん、知名町に認定書寄贈

【沖永良部】「~遙か彼方の故郷~小惑星『Chinacyo』命名記念式典」(知名町主催)が6日、同町あしびの郷・ちなであった。小惑星を発見した天文家の渡辺和郎さん=札幌市在住=が命名認定書を町に寄贈。記念講演では「たくさんある星の中に、郷土の名前が付いた小惑星があることを忘れないでほしい」と語った。

県内で小惑星に自治体名が付いているのは、長島町、姶良市に続き3つ目。奄美群島では初。

この小惑星は、1996年10月5日に渡辺さんが発見。2000年12月に登録番号「19303」が付いて以来、固有名がなかった。今回、知名町と交流のある宇宙航空研究開発機構(JAXA)元職員の寺門邦次さんが、命名権を持つ渡辺さんに小惑星の名前として「Chinacyo」を提案。国際天文学連合・小惑星センターが1月12日に発行の「小惑星回報」で認定を報じた。

渡辺さんによると、小惑星の直径は6㌔ほどと推定。太陽の周囲を楕円軌道で約3・76年かけて一周しているという。

会場には、地元の中学生や住民ら約200人が集まった。「あなたの町が小惑星になった」と題して講演した渡辺さんは、恒星と惑星の違いや星に名前を付けるようになった歴史などを説明した。寺門さんは、宇宙飛行士の人数や宇宙ステーションの活動などを紹介。「挑戦して諦めないこと。そして何だろうと思う探求心を持って欲しい」と呼び掛けた。  

参加した子ども達からは「宇宙に興味を持ち始めたのはいつ頃か」「宇宙で寝ている時に腰が痛くなったりするのか」などの質問が出た。

式では、宇宙飛行士の山崎直子さん直筆の記念色紙を町と知名中学校、田皆中学校へ贈呈。地元中学生がデザインした記念バッチの発表もあり、応募総数104点の中から知名中3年の市来愛実さんと田皆中1年の根釜愛笑さんのデザインが選ばれた。

知名中3年の林一輝さん(14)は「無重力だと地上と違って上下の感覚がないことや、自分の尿を水に変える装置が宇宙ステーションにあることなど驚きでいっぱいだった」と語った。