飼い猫の適正飼養学ぶ

ノネコ問題学習を行った久野代表

朝日中で出前授業
「ネコも人間も幸せに暮らせるより良い奄美に」

奄美ネコ問題ネットワーク(ACN、久野優子代表)は10日、朝日中学校(今村典盟校長、生徒330人)でノネコ問題学習の出前授業を行った。中学1年生の98人を対象に、奄美大島の自然の貴重さや固有種、ノネコの脅威について講義。生徒たちは、生き物のつながりやノネコを増やさないために飼い猫の適正飼養について理解を深めた。

ACNは奄美猫部、NPO法人奄美野鳥の会、奄美哺乳類研究会の3団体を中心に2015年11月に設立。16年12月には小宿小で、子どもたちへの普及啓発のために最初の出前授業を行っていた。

授業の講師を、久野代表と副代表の鳥飼久裕さん(奄美野鳥の会会長)が担当。授業の前半は、鳥飼さんが奄美の自然についてスライド資料で解説した。

鳥飼さんはアマミノクロウサギの糞を食べる昆虫など紹介し、奄美の生き物のつながりを教示。マングースが、マングースバスターズの活躍で減少したが「ノネコが奄美で新たな外来種になっている」と語った。

授業後半は、久野代表がネコの生態や飼い猫の適正飼養などを講義。ネコのぬいぐるみやスライド資料で、ネコの身体的特徴を説明し「ネコは成長が早い動物」とした。ノネコの脅威について報告。山でノネコが増えたのは「人が不妊手術せず、外で放し飼いしたため」と指摘した。

久野代表はノネコを増やさないために、ネコを飼うときは登録(マイクロチップ装着など)・不妊手術・室内飼育を推奨。TNR事業や奄美大島5市町村の飼い猫の適正飼養に関する条例にも触れて、「みんなでしっかり考えて、ネコも人間も幸せに暮らせるより良い奄美に向けてみんなの協力が必要」と訴えた。

講義の後に、質疑応答。生徒から「アマミノクロウサギをノネコから守るにはどうしたらいいか」「ノネコの被害はどれくらいなのか」などの質問があった。

生徒代表で最上音和さん(13)が、両講師に感謝の気持ちを込めてあいさつ。家でもネコを飼っている最上さんは授業後に、「ネコは大切な存在。外に出さないようにする」と語った。

ACNは、今年度から児童生徒に対するノネコ問題学習の出前授業に注力。年間6回程の開催を希望し、依頼があれば奄美市以外の町村でも実施を検討するという。