シマ唄との共通性をPRする「奄美deフラメンコ!」の実行委員会代表の渡辺さん
奄美deフラメンコ実行委員会(渡辺秀美代表)による初の奄美公演が7月15日に奄美市名瀬屋仁川通りのASIVIである。ギター、カンテ(歌)、バレイ(舞踊)の名手3人が奄美での公演に臨むが、スペインの代表的な芸術であるフラメンコの魅力に染まる貴重な機会となりそう。
来演するのは、ギター・山崎まさしさん、カンタオール・笛田剛史さん、バレイ・篠崎麻由美さん。
舞踊団として新国立劇場、エル・フラメンコ等に出演した実績がある篠崎さんの師匠が奄美出身で関東在住の碇山奈々さん。奄美との縁がある篠崎さんが講師を務めるカルチャーセンターで、5年前からフラメンコを習い始めた弟子の渡辺さん=奄美出身=は「ぜひ島の人たちにフラメンコの素晴らしさを味わってもらいたいと思い、篠崎さんらの協力で公演が実現することになった。見てもらえたら、必ず島の人の心をぐっとつかむはず。多くのみなさんが来場してほしい」と呼び掛ける。
渡辺さんが魅力として挙げるのが情熱的な踊り同時に、発せられる歌。「歌詞には日々の事や親への愛などが綴られ、人生のはかなさを感じてしまう。奄美のシマ唄と共通する部分があり、シマ唄を習い始めた奄美の子どもたちにもぜひ聴いてほしい。世界の文化に興味を持つきっかけになる」(渡辺さん)。渡辺さん同様、関東のカルチャーセンターでフラメンコを習う受講者も10人ほどが奄美に駆け付けるという。
今回の公演に対し、スペイン文化研究家の濱田吾愛さんは「唄の内容を見ても、人生の悲喜こもごもだったり、実在の人物のエピソードに基づく物語唄だったり、ふるさと賛歌だったり、島唄と共通する要素が多い。フラメンコも島唄も、人間そのものの姿を表現していることにならないだろうか。それが、奄美の地にフラメンコが花開いていくことの必然を裏付けているように感じられてならない」というメッセージを寄せている。
公演日程は、昼の部午後0時半開場同1時開演、夜の部が午後6時開場6時半開演。入れ替え制で、チケット前売り2500円(当日3千円)、中学・高校生千円、ワンドリンク別。問い合わせ・チケット取り扱いはASIVITEL0997・53・2223。