徳之島(天城町)でも誘殺確認

初動防除で誘殺地点周辺にテックス板1千枚が設置される(資料写真)

和泊町では2匹
トラップ増設 初動防除実施
テックス板備蓄充実求める

 県大島支庁農政普及課は6日、沖永良部島と徳之島でのミカンコミバエの誘殺確認を発表した。県が5日に384地点で実施したミバエ類のトラップ調査で、ミカンコミバエ雄1匹を天城町松原、雄2匹を和泊町瀬名で確認したとしている。

 これを踏まえ国の機関である門司植物防疫所名瀬支所と県などは6日に、天城町および和泊町で現地対策会議を開催し、対応マニュアルに基づく対応方針を確認した。

 それによると、▽トラップ増設による調査(誘殺地点から半径5㌔㍍以内)=6日に天城町のトラップを27基(既設10+17)、和泊町のトラップを42基(既設24+18)に増設し、詳細な発生状況確認▽寄主植物の調査(誘殺地点から半径2㌔㍍以内)=寄主植物(グアバ、パパイアなど)を天城町は7日に採取、和泊町は10日に採取し、それぞれ5日間保管後に切開して幼虫の有無を確認▽初動防除の誘殺板設置(誘殺地点から半径1㌔㍍以内)=7日に両地点で誘殺板(テックス板)1千枚ずつ設置―のほか、徳之島3町対象の生産者説明会も開催する。

 門司植物防疫所国内検疫担当の樋渡正一統括植物検疫官は「今回徳之島で誘殺が確認されたので、警戒はゆるめられない。飛び込みか発生かは調査の結果を待たないとはっきりしない」との見解を示した。

 JAあまみ大島事業本部奄美市果樹部会長の平井孝宜さんは「先月の沖永良部知名町に続き、徳之島天城町と沖永良部和泊町でも確認され飛来による飛び込みかと思われるが調査の結果を待ちたい」と話し、国や県のテックス板の備蓄状況を不安視。「マニュアルでは、同時多発的なミカンコミバエの誘殺確認を想定していない。万一の状況を想定して、万全な初動防除ができるようにテックス板の備蓄を充実させてほしい」と語った。

 徳之島の天城町松原地区でのミカンコミバエの誘殺確認(5日現在1匹)を受けて、同町の福健吉郎農政課長は「隣島の沖永良部島で確認されたことで危ぐはしていた。関係機関・団体と一体となって防除に努めたい」「関係機関・団体と連携して行政防災無線での呼びかけなど広報も徹底したい」と表情を引き締めた。