「西郷どん」をイメージ

西郷隆盛をイメージして制作した芭蕉布の着物と帯。制作した沖永良部芭蕉布会館の長谷川千代子代表(右)=12日、知名町=

芭蕉布の着物と帯制作
沖永良部芭蕉布会館の長谷川代表ら

 【沖永良部】沖永良部芭蕉布会館(知名町下城)の長谷川千代子代表らがこのほど、西郷隆盛をイメージした芭蕉布の着物と帯を完成させた。NHK大河ドラマ「西郷どん」の衣装として半年をかけて制作。長谷川代表は「西郷さんが日本のために尽力している姿を思い浮かべて作った。芭蕉布を通してドラマに関われてうれしい」と話した。

 製作は、伝統工芸士の資格を持つ長谷川代表と、沖永良部芭蕉布協議会が認定する芭蕉布講師の三昌松枝さんが担当した。

 着物の着丈は1㍍85㌢。材料の糸は、糸芭蕉の木の中心部から取れる柔らかい質感が特徴の「ナーグー」を使った。柄に薩摩藩島津家の家紋「十文字」を採用し、藍色で染めた。

 帯は、糸芭蕉の外側の繊維で「ナーグー」よりかたい質感の「ウァーホー」で作った。家紋の柄に加え、島に自生する樹木(サンゴ樹とフクギ)で青と黄色のラインを入れた。

 作業にあたり、西郷と島民の交流関係について勉強した長谷川代表は「西郷と交流した島民の中には、私の先祖もいたかもしれない。今の沖永良部島があるのは西郷さんのおかげ」と語った。着物と帯は、ドラマの撮影開始に合わせて長谷川さんらが直接、制作スタッフに届ける予定。 

 同会館では、今月15日から始まる「あまみシマ博覧会」(9月18日まで)で芭蕉体験ツアーを行う。繊維を取るウービキ作業やミサンガ作りを体験できる。予約先は、あまみシマ博覧会予約センター℡0997―54―2621まで。