ノネコ収容施設整備計画が中断

改修整備が遅延となった「ノネコ収容施設」予定棟(旧大島工業高校跡地内)

建築物利用制限の「用途地域」のため
着工時期、不透明な状況

 今年9月の完了を予定していた、奄美市名瀬浦上町の旧大島工業高校跡地でのノネコ(野生化した飼い猫)一時収容施設整備計画で、同跡地内の建築物利用が制限される「用途地域」となっているため現在、進行が中断していることが13日までにわかった。「畜舎」としての活用が関連基準に抵触するため。島内5市町村でつくる奄美大島ネコ対策協議会(事務局・奄美市環境対策課)は建築申請に向け準備を進めているが、着工時期はいまのところ不透明な状況だ。

 事業は捕獲したノネコの病気の有無、飼い猫としての適性などを判別し、一時的な飼養を行う収容施設整備で総事業費1486万円を計上。旧職員住宅1棟(鉄筋コンクリート2階建て、99平方㍍)を改修し、ノネコ約50匹を収容する。6月下旬着工を見込んでいた。

 同課によると、跡地は「第一種中高層住居専用地域」に指定される。収容施設は「畜舎」と定義されるが6月中旬、事務確認した際、設置不適用が判明。建築基準法違反となる恐れがあったという

 同課は現在、県建築審査会での特例措置を求める申請に向け、計画の概要、周辺住民(約10世帯)への同意など準備を進めている。

 今回の計画遅延について同課担当者は「事前確認ができていなかった」と釈明。許可を受け次第、着工するとしているが審査会(年2回)の開催時期は確定していないため、「着工時期は不明瞭。今年中の整備完了を目指したい」としている。