水上オートバイ小隊発足

辞令交付の後、実際に水難救助訓練が行われた

連携強化奄美市消防団に
県内初、水難事故に対応

 奄美市消防団特別分団機能別水上オートバイ小隊の発足および辞令交付式が22日、奄美市笠利町のホテルであった。団員が平井雅人同市消防団長から辞令を受け取った後、参加者の前で水難救助訓練を実際に行った。

 同小隊は今月1日に発足。水難事故に特化した水上オートバイ小隊の設置は県内初となる。主に笠利地区で水難事故が発生した場合に人命救助活動を実施する。笠利地区では1989年以降、40件の水難事故が発生。21人が死亡しており、同小隊の今後の活躍が期待される。

 同小隊の団員の多くが島内の有志で構成された「奄美ウォーターパトロールクラブZENO」のメンバー。2012年に起こったライフセーバーの死亡事故を機に結成された同組織では、波の高い場所でのレスキューを水上オートバイで行う訓練を2年以上にわたり続けてきた。

 この日は団員8人のうち、5人が辞令を受け取った。式典に参加した朝山毅市長は「海は美しいが危険でもある。増加する奄美を訪れる人の生命、身体、財産を守ってほしい」と団員を激励した。

 同小隊の長誠和班長は「最近は人の少ない場所で泳ぎたがる観光客が増加している。地域住民にもそういった人たちへの声掛けをお願いしたい。今後は、事故発生後、どれだけ迅速に動くことが出来るかといったところが課題になる。消防との連携を強化していきたい」と話した。