「ひらめきときめきサイエンス」

受講生に実験の説明を行う河合教授

人と自然の関わり学ぶ
鹿大島嶼研 中高生に講義や実験

 鹿児島大学国際島嶼教育研究センター(センター長・河合渓教授)は23日、奄美市名瀬柳町の同センター奄美分室で日本学術振興会ひらめきときめきサイエンス事業「熱帯・亜熱帯の島々に暮らす人々は生物とどのように関わって生きているのだろう?」を行った。応募した中高生や関係者など約10人が、同センターの大学教授たちの講義を受講し、実習を行い人と自然の関係について理解を深めた。

 同事業は、科学研究費助成事業に採択され実施。同センター奄美分室では、初めての開催になる。

 開講式で河合教授があいさつし、スタッフ紹介や日程を説明。参加者の自己紹介も行われ式終了後、河合教授が沿岸の生物と人の生活について講義した。

 受講生に月の引力による潮の満ち引きや、沿岸域生態系の環境など解説。海産巻貝キバアマガイを例に、「殻模様に多様性があり、その生息域に関連がある」とした。

 調査地のクック諸島では、捕食者が目立つ色の貝を選択摂餌することで目立ちにくい生息域の岩場と同色の貝殻を持つものが生き残ったと指摘。玄武岩の生息域では、黒い貝殻のキバアマガイが多かったと報告した。

 講義の後に実験で、受講生はアルコールづけのキバアマガイの標本資料を殻模様で分類。白衣とマスク、薄ゴム手袋を着用し、資料を三つの殻模様に分け結果を棒グラフにまとめた。

 大島高校2年で生物部部長の泊広明君は、大学の先生の授業を聞き発表の仕方など身に付ける目的で参加。夏休みは部活動も頑張り、個人では「アマミサソリモドキを研究してみたい」と抱負を述べた。