西洋との融合で魅了

シマ唄に西洋のリズムを組み合わせ、独特にアレンジされたシマ唄で魅了した里さんと佐々木さん

里さん、ドラマー佐々木さん
パリ凱旋ツアーライブ

 シマ唄の唄者で歌手の里アンナさんと、ジャズドラマー佐々木俊之さん2人によるパリ凱旋ツアーライブが23日夜、奄美市名瀬のASIVIであった。里さんは、三味線のほか、竪琴も演奏。アンコール曲含む全16曲を披露した。里さんの伸びやかで高音域の美声と佐々木さんのテクニカルなドラム演奏で、独特にアレンジされたシマ唄に多くの来場者らが酔いしれた。

 一曲目、里さんはアカペラで歌い始め、早速その伸びやかな美声を惜しみなく披露。佐々木さんのドラム演奏で、曲に力強さが加わった。三味線を弾きながら唄う従来のスタイルのほか、「らんかん橋」では竪琴の旋律に合わせ歌い、会場をノスタルジーな雰囲気に包んだ。曲により、佐々木さんのドラムソロも披露され、そのテクニカルな演奏に魅せられ、賞賛の拍手が鳴り響いた。

 MCで、里さんは「帰って来ました。きょうは来てくれて、ありがとうございます」とあいさつ。6月にパリでも行っている今回のツアーについて「西洋のリズムと融合させて、シマ唄を唄いたかった。いかがでしたか」と問うと、場内からは、盛大な拍手が送られた。

 「いきゅんにゃ加那」では、里さんがリズミカルに三味線の弦を弾き、佐々木さんが変則的なリズムでたたくなど、即興的な演奏の「ジャムセッション」を連想させるような、従来のシマ唄を独特な融合曲に変え魅了。アンコールに応え、再び登場すると、最後は定番の「六調」で盛り上がり、地元でのツアー凱旋公演を盛況に終えた。