復活した平田輝をよろしく!

ステージを所せましとエネルギッシュに動き、歌う喜びを表す平田輝さん

ユニット
互いの頭2文字から「ヒラガナ」のユニットで活動する平田輝さんと、我那覇美奈さんだけに、息もピタリ

声援に応える
元気に戻ってきたことをアピールし、観客声援に応える平田輝さん

エネルギッシュなステージ披露
けがから復帰しライブ

 【東京】奄美出身のシンガーソングライター・平田輝さんが21日、港区の草月ホールで、「同じ夢を見よう2017~Road to BUDOKAN②~」と題したライブを開催、「青春」「走るためにうまれてきた」など18曲を熱唱、けがから復帰したばかりとは思えない、エネルギッシュなステージを披露。満席の観客からは、盛んな拍手を浴びていた。

 「俺たち、まだ終わってないさ。走るために生まれてきたんだから。」とサブタイトルがつけられた、この日のライブ。実は平田さんは、ステージに立てるか否か微妙な時を過ごしてきた。

 5月28日、上野でのライブ終了後、舞台を降りる際に転倒。肋骨を3本骨折し、動くことさえできず救急車で搬送。下された診断は、「全治およそ3カ月」。誰もが「この日のステージは、無理」だと考えていたに違いない。

 だが、入院先のベッドで平田さんは、「大丈夫?」と心配する周囲を笑顔でごまかしながら“スットゴレの精神”で、「絶対に草月ホールに立つ」と誓っていたはずだ。少し速度は緩んだものの、走ることは止めていなかったのだ。

 ようやく19日目に復帰。7月2日に行われた「伊是名の会」では、杖をつきながらも精力的に音楽を担当。「正直痛いです」と、言いながらも笑みを絶やすことなく、責任感を全うした。

 そして迎えた21日。2曲を続けて歌った平田さんは、「申し訳ありませんでした。みなさんの力でここに立てました」と、深々と頭を下げた。その後、ダイナミックな動きで、新アルバムの中から「ハルカナ」などを、奄美の青空、幻想的な自然をイメージさせる照明、サウンドを背景に熱唱した。

 また、自ら作・編曲した都立光明学園の式歌「僕らは翼を持っている」の誕生エピソードも語り披露。一方、人柄を示すように、競演したパーカッショニスト、スティーブ・エトウさん、ゲストのシンガーソングライター・我那覇美奈さんやメンバーらを、何度も何度も丁寧に紹介していた。

 満身創痍の中からの復活劇は、アンコールの「今夜、ビートルズが街をうめつくして」で閉幕。バラードあり、ロックありの熱いステージを今度こそ無事に降りた平田さんは、満足げな表情でファンの前に立ち「良かった」「感動しました」の声に笑顔で応じていた。

 「完全復活を遂げたその男」は、18年1月14日に渋谷のマウントレーニアホールで行うライブ「新春ガンガン祭り2018~Road to BUDOKAN③~」に向け、既に走り出している。