行政側の答弁を聞く中学生議員ら=和泊町=
【沖永良部】第21回和泊町子ども議会が31日、同町議会議事堂であった。一般質問に立った中学生議員からは「恋人達の聖地としてPRする」「四尺玉で花火大会を盛り上げる」などのアイデアが出た。
身近な問題に関心を持ち、町の将来について考えてもらおうと同町議会と同町教育委員会が主催して毎年実施。町内の2中学校の生徒10人が議員を務めた。
港まつりの活性化案を考えた城ケ丘中学校3年の前田華奈さんは「花火の球数を減らして三尺玉や四尺玉を打ち上げれば活気が出る」と述べ、大型花火を打ち上げている日本全国の花火大会の事例をもとにコスト面や観光振興などにおけるメリットと、騒音や安全面でのデメリットを説明した。担当課長は「沖永良部で三尺玉を打ち上げるのは300~400万円、四尺玉は1000万円以上の費用が掛かる」と答弁した。
和泊中3年の吉田美空さんは、飲食店での食事が割引になるカップルプランや、笠石公園にハート型の鐘を整備する案を提案し「島を恋人たちの聖地としてPRすれば、恋人同士だった人が夫婦となって再び来島したり、次に家族を連れて島を訪れたりするようになるだろう」と発表した。
このほか、テッポウユリの活用や総合運動公園の整備、人口減少対策などについて質問があった。
逆瀬川勝久教育長は「観光に対する質問が多く、島の良さは島外の人にも伝わると、生徒達が考えていることが分かった。みんなの提案が実現する可能性もある。町の議会活動に注目してほしい」と講評した。
花火大会の質問をした前田さんは「大型花火を打ち上げるのは現実的ではないと感じたが、大会を盛り上げる別の方法はあると思う」と話した。
議長を担当した城中3年の田原聡馬さんは「質問の中でも、特に四尺玉の花火は自分も見てみたいと思った。生徒達の考えを聞いて、町を良くしていこうという熱意が伝わった」と述べた。