伊仙町の「サテライトオフィスお試し勤務」に参加した都心の企業関係者ら=7月30日、喜念浜コテージ
【徳之島】「働き方改革」や地方創生の目玉として総務省が進める「サテライトオフィス」事業。全国離島唯一の同モデル自治体に採択された伊仙町で7月29日から、「同オフィスお試し勤務」の受け入れが始まった。場所は、奄美群島国立公園の「喜念浜」エリアのコテージ2室。首都圏の約20社が関心を寄せ、町側はうち2社の誘致・定着による地元とのコラボ、雇用創出にも期待を寄せている。
企業など団体が本拠地から離れた地方などに「衛星」のように設置する「サテライトオフィス」。総務省は、地方における雇用や新たな働き方などの創出を目指して「お試しサテライトオフィス」事業を推進。4月と7月下旬に「お試し同オフィス交流セミナー」も開いた。
伊仙町コーナーには約20社(IT情報関連13社、旅行業3社、コンサルタント、広告業各2社)が関心を示した。町側はプレゼンで「長寿・子宝日本一。心身のバランスが整い、都会のストレスから解放され、生産性の向上も期待できる」。国立公園の風光明媚(び)な海辺に隣接したコテージなど魅力もアピールしていた。
「お試し勤務」の第1号で来島したのは、中央区日本橋茅場町、印刷会社代表取締役社長の家住英樹氏ら。同町出身の大手銀行支店長との交流も縁。「(徳之島の)観光関係の情報発信などに、私たちの企画力も活用させていただき、地元の人と一緒になった情報配信を検討。社内でも『地域に密着して仕事がしてみたい』との話もある」という。
現地の環境面は、「住むには素晴らしい環境だ。仕事の面では、地元の皆さんとコミュニケーションがうまく取れる孤立しない場所がありがたい」とも。そして「町役場の方々の熱意がすごい。人の熱さ・人情味は半端じゃないと感じた」と感動していた。
「お試し」受け入れ期間は12月末まで。アンケート調査で誘致ニーズを把握し、「地域とのコラボで地元雇用にも結びつけたい。2社(室)のオフィスを確実に誘致したい」(未来創生課)と話した。