北高聞き書きサークル

地域の人から体験談や方言などを聞き書きする北高生

笠利町4集落で
知らなかった地元歴史も

奄美市笠利町の県立大島北高校(新山剛校長)は2~3日、「聞き書きサークル活動」を赤木名地区から手花部地区にかけて4集落で行った。同校1~3年の生徒12人が調査に参加し、カメラやICレコーダーなどを用いて地域住民から昔の暮らしや体験談などを聞き取りした。習ったばかりの方言を使い会話しながら、シマ(集落)の良さを学んだ。

聞き書きサークル活動は、地域の長老や名人などから聞き書き調査して足元の宝を生かす地元学の一環。昨年7月に逝去した同校OBで考古学者の中山清美氏が発足から指導して、今回は4年目になる。

昨年度に続き琉球大学の非常勤講師白田理人さんも参加して、方言調査も同時に実施。調査最終日は、手花部と打田原と中金久に分かれて4班で調査した。

A班とB班は打田原交流館で、岩元重徳さんと前田孝徳さんに面会。「奄美の世界自然遺産や赤木名の文化的景観の取り組みについて関心があるか」や「伝え残したい伝統行事や大切な場所」など基本調査のほか、日常的会話で使われる基礎語彙から120単語と会話文24例を方言に言い直してもらい、発音を調査票にまとめるなどの作業にあたった。

前田さんは小さい頃の体験談として、1960年のチリ地震の津波が手花部集落に到達したことや、台風で小学校校舎が倒壊したことなど紹介。生徒たちは知らなかった地元の歴史など聞き、興味深く調査用紙に記入していた。

B班で調査した2年の榮惇志君は、聞き書きサークル活動に初参加。調査をしてみて、「自分も後輩たちに受け継いで、聞き書きサークル活動をやってもらいたい」。前田さんは後輩を頼もしく思い、「中山さんの遺志を継いで、頑張ってもらいたい」と語った。