山間・市線 市道通行止め解除

通行止め解除され、車両が行きかう市道山間・市線(山間―戸玉集落間)

日常生活は落ち着き
気象条件悪化で制限措置も

 奄美市は15日、同市住用町の市道山間・市線(山間―戸玉集落間)の通行止めを解除した。10日ぶりに通行が再開し、集落の商店に商品が搬入されるなど日常生活は落ち着きを取り戻しつつある。市当局は「現時点で仮復旧段階で、復旧の工法や見通しは未定」とした。

 台風5号の大雨により土砂崩れし、同市道は5日から全面通行止めを実施して戸玉・市両集落は孤立状態に。市は緊急措置で小型船舶を山間港から両集落にピストン運航させ、移動・輸送ルートを確保していた。

 通行止め解除を受け車両通行が可能になったことから、市集落内の商店は商品搬入を再開。ある店主は通行が遮断されていた時は、自前で船舶を調達して山間港まで行き、車両を借りて商品の仕入れを2度行ったという。

 店主は通行止め解除を、「一安心できる」と歓迎。15日はジュースなど飲み物を入荷し、商品を購入に訪れる住民が見られた。

 市集落の田川一郎区長も、通行再開を「良かった」と喜び「これで落ち着いた生活に戻るだろう」とした。

 大雨で同市道の斜面は高さ約80㍍、幅約80㍍が崩落。道路上の大量の土砂はほぼ除去して大型土のうを二段積みで斜面脇に設置。ただ土砂崩れした斜面などはむき出しのまま。天候により再度の災害も想定される。

 同市危機管理室は、今回の通行止め解除を仮復旧の段階と位置づけ。同室の田中巌主幹兼危機管理室長は「地元の協力などで、仮復旧にこぎつけた。国の査定など経て、なるべく早く対策して完全復旧を図りたい」と語った。

 復旧工事の見通しは、現時点で未定。測量などから工法を検討し対応する予定とした。

 田中危機管理室長は「今後気象条件が悪化し土砂崩れ再発が懸念される場合は、市職員が現地に行き状況把握して通行制限の措置を取る」との見解を示した。