沖永良部で知事と語ろう車座対話

住民の意見・要望を聞く三反園訓知事(右)=知名町=

沖縄への輸送支援、継続要望も
「常識とらわれない発想を」

【沖永良部】三反園訓知事と住民の車座対話が14日、知名町フローラル館であった。参加した島内の農業や観光、商工業者など26人の意見・要望を聞いた三反園訓知事は「常識にとらわれない発想に従う勇気を持って欲しい。どうやったら鹿児島の未来を切り開いていけるか、住民と考えていきたい」と語った。

車座対話は、三反園知事のマニフェストに盛り込まれた施策の一つ。今回を含め17会場22市町村で行っており、15日は与論島で行われる。

メンバー一人一人の意見・要望を聞いた後、知事が答える形式で進められた。

参加者からは「沖永良部高校の魅力化を図り、学校規模を維持するための取り組みを進めていきたい」「島で獲れるグルクンやアオブダイ等の魚は、沖縄へ送ることで未利用資源の活用につながっている。2年前から実証事業として実施している沖縄への輸送コスト支援を継続して欲しい」「空き家の所有者が貸したくなるようなポジティブな特典があれば」などの意見が出た。

三反園知事は、花き振興について「日本だけでなく海外を見据え、官と民が一体となって取り組まないと未来はない。求められる花の種類や量、輸送ルートなどについても検討していきたい」。観光振興では「来年はNHK大河ドラマ『西郷どん』が放映されるが、観光客に感動してもらう施設整備やストーリー作りが必要になる」。農業の後継者育成に関しては「農業は鹿児島の基幹産業であり、農業が鹿児島を引っ張っていく。将来への不安を払拭しなければ、後継者は育たない。良い品物を作り、少しでも高く売って、生産者の所得を上げるという好循環を作り出すことが私たちの役目」と話した。

このほか▽島に届く生活・農業資材の輸送コスト支援▽身寄りのない人に対する支援体制の検討▽児童生徒の島外交流事業の実施▽健康寿命の研究におけるモデル地区指定▽ボラバイトの宿泊施設支援―などの質問について意見交換した。