牧岡さんシマ唄ライブ

息の合った演奏を披露する、前山真吾さんと牧岡奈美さん

牧岡大阪ライブ2
熱のこもったシマ唄に、たまらず踊り出して唄を満喫する人たち

牧岡大阪ライブ3
満足そうな前山慎吾さん。牧岡奈美さんのCD「歌い紡ぐ」は11月3日に発売される。小寺雄高さんは、南の島の味を笑顔で提供している

西宮市で前山さんと共演で魅了

 

 【東京】喜界島出身で東京を拠点に活躍している唄者・牧岡奈美さんが尼崎で開催された「奄美音楽祭2017」を前に14日、兵庫県西宮市でシマ唄のライブを行った。唄者の前山真吾さんとのジョイントで、会場を訪れた人たちをトークと唄で魅了していた。

 会場は、西宮北口駅からほど近い1年半前にオープンした「琉球食堂kafu」。自慢の奄美・沖縄料理を味わえ、黒糖焼酎と泡盛合わせて30銘柄の品揃え。月1回ジャズライブが開かれる人気の店だ。

 店主の小寺雄高さんは、ダイビングのインストラクターとして、妻の両親の故郷である徳之島を訪れるうち、シマ唄に出会い人生が激変。安田民謡教室に数年間通い、今では奄美三味線製作者としても活動する。「本籍も徳之島に移しましたよ。三味線の方が本業かも…」と小寺さんは笑う。

 そんな縁もあってのライブ。牧岡さん、前山さん共に初のお目見えだが、和気あいあいの雰囲気の中、朝花節でスタート。前山さんが曲の成り立ちの背景などを丁寧に解説するなど、初めての人にも分かりやすく、牧岡さんとの息もぴったり。

 ライブ中は乗りと突っ込みに笑いもあふれ、しっとり系からにぎやかなものまで、リクエストに応じ、およそ20曲を披露。シマ唄好きには、たまらない最高の時を演出した。

 観客約20人のうち常連と初めてが半々で、奄美2世、喜界島出身者は数人ほど。牧岡さんの同級生で大阪在住の保田博文さん、森岡誠さんが駆け付け「会うのは十数年ぶり、唄を聴いて故郷に帰りたくなりました」と声をそろえていた。

 また、この日店を手伝っていた平尾なつみさんも「関西出身ですが、奄美の友人に触れてファンになりました」。今では三味線教室に通っているという。

 参加者は最後に全員で「行きゅんにゃ加那」を歌って再会を期して、濃厚なシマ唄のライブは終了。演奏を終えた前山さんは、「民謡をやっているおかげで、皆さんにこうして会えた。シマ唄に感謝です」。牧岡さんも「いい思い出になりましたね」と、シマ唄が紡いだ絆をかみしめていた。