リュウキュウアユ産卵地作り

川に入り川底にたまった赤土などをクワなどで洗い流す児童たち

住用小、役勝川で保護活動

リュウキュウアユの保護活動に取り組む奄美市住用町の住用小学校(富林弘智校長)は1日、学校近くの役勝川で「リュウキュウアユの産卵地整地作業」を行った。奄美大島だけに生息する絶滅危惧種のリュウキュウアユは、11月中旬から下旬頃に産卵を始める。生息地の役勝川に今年も無事産卵できるよう、小学1年と4年生の児童9人が冷たい川の中に入り、川底にたまった赤土などを洗い流した。

同校は例年、産卵時期前の10月中旬ごろに整地作業を実施。今年は先月に二つの台風接近の影響で、11月に延期しての開催となった。

奄美リュウキュウアユ保全研究会の米沢俊彦さんが指導助言。米沢さんは、「リュウキュウアユは水深が浅く、流れの速い瀬で産卵する。川底の石を取り上げて、赤土など洗い流すようにする」と作業方法を説明した。

産卵地の整地作業はクワやスコップなどを用いて、川底の砂利を柔らかくし、石と石の間に適当なすき間をつくり産卵しやすくする目的。作業には児童のほか、教職員、同河川工事中の作業員たちも参加した。

流れが速く水も冷たい川の中での作業に、児童たちは悪戦苦闘。バランスを崩して、川の中に尻もちをついて濡れて作業する児童もいた。

作業を終えて川の中州で、みんなで記念撮影。米沢さんに児童代表で4年生の知花幸天裕くんが、「リュウキュウアユのことを教えてもらい、ありがとうございます。学んだことをこれからの学習などで生かしていきます」とあいさつ。今後については整地した場所で産卵が確認されたら、児童たちが観察活動する予定とした。