奄美高創立100周年記念行事

記念式典で二石校長が式辞

20171111(奄高100周年記念式典)②
記念行事で講演した銀座もとじの泉二弘明社長

一世紀誇り新たな伝統へ

 

紬ショーと記念講演会も

 

 県立奄美高校(二石政彦校長)は11日、同校の創立100周年記念行事の式典や記念講演会を行った。記念式典に在校生や島内外の来賓など合わせて約900人が参列し、100周年を祝した。

 式典に先立ち、「亡師亡友之碑」前で慰霊祭を実施。参加者は恩師や学友などの御霊=みたま=に対して、黙とうや献花を行った。

 慰霊祭終了後に、式典会場の体育館に移動。二石校長は式辞で同校の歴史を振り返り、学生の活躍など紹介した。

 この中で二石校長は、現代はグローバル化などで、地域社会やコミュニティの営みが侵食されてしまったと指摘。「みなさんは『結の精神』の意味を見失わず、島に子どもたちからお年寄りまでの笑顔があふれるように、思いと知恵とエネルギーを注いでください」と激励した。

 続いて創立100周年記念事業実行委員会の屋村賢良委員長があいさつ。来賓の県知事代理で田中完大島支庁総務企画部長、県議会議長代理の向井俊夫県議、朝山毅奄美市長らが祝辞を行った。

 生徒代表のことばを機械電気科3年の積山瑛二生徒会長が発表。奄美高校の伝統を受け継ぎ後輩たちへつないでいく番とし、「新たな伝統を創っていくという自覚と責任を胸に努力していかなければならない」と強調した。

 式典に続き、アトラクションで大島紬を使用した家政科生徒などのファッションショーと島唄のステージを披露。ステージでは、同校のOBの前山真吾さんや歌手として活躍する中孝介さんなども出演し記念行事に華を添えた。

 また記念講演会では7月に、東京の銀座に大島紬専門店を出店した㈱銀座もとじの泉二弘明社長が講師を担当。演題「夢の実現」で、自身の経験や失敗談を通して、「強い願望を描いて目標を持ち、具体的に落とし込んでいくことで、できないことはない」と語った。

 泉二さんは陸上選手の夢が挫折し、失意のどん底で父の形見の大島紬を羽織ったときに身震いしたという。恩師の言葉「反省はしても後悔はするな」を胸に、未体験の着物業界に飛び込み日本の中心の銀座に店を出すという夢をかなえた。

 100周年を迎えた後輩たちに「あなたたちならできる。夢を持って取り組んでもらいたい」とエールを送った。