人権教育の研究発表

公開授業では生徒らのグループワークの様子を大勢の教職員らが見学した

自己肯定感高まる成果

 

大和中公開

 

 2016・17年度大島地区研究協力校「人権教育」公開研究会が15日、大和村思勝の大和中学校(田淵武文校長、全校生徒40人)であった。同研究会には奄美大島内の小中学校教職員約45人が参加。同校が実践する人権教育に関する発表や、公開授業で学習指導方などを学んだ。

 研究発表に先立ち、大島教育事務所の藤田柳生学校教育係長は「自分の大切さと相手の大切さを学ぶ人権教育は全ての教育の基本。子どもと教師の間での確かな信頼関係、子ども同士が認め合い、高め合う人間関係が気付かれることを強く願っている」とあいさつした。

 研究発表では同中が取り組んできた「人権教育の視点に立った授業の工夫と教育活動の充実」について時田三紀教諭が発表。同中では人権教育の視点に立った授業作りとして、①自己存在感を持たせる支援②共感的人間関係の支援③自己選択・自己決定の場の設定―の3点を重点的に取り組んでいる。これらにより、生徒の自己肯定感、共感的な考え方、教職員の人権教育に対する意識が高まるなどの成果があったことが発表された。

 公開授業は1年生で道徳、2年生で理科、3年生で特別活動の授業を実施。山之内晴美教諭の道徳の授業では、「思いやりの心」をテーマに、思いやりとは何か、相手の気持ちに気付き行動するために必要なものは何か、といった内容をグループワークで考える授業を展開した。

 見学した宇検村の田検中学校の福永和也教頭は「発表者のことを見る、拍手をするというのは一人一人の存在を認めるために大切なこと。当たり前のことだが、改めて実感させられた」と語った。

 公開授業後は分科会や全大会で研究協議や指導講話などがあった。