龍南中で環境学習まとめ

地図上にシールを貼り、外来種分布図を作成した。

外来種分布図作成「在来種大切にしたい」

 

駆除通じて環境意識醸成

 

 龍郷町の龍南中学校(福水浩一校長、全校生徒126人)は6日、4月から行ってきた環境学習のまとめを行った。外来種植物の分布図作成や、奄美大島の自然環境を保全するために必要となる取り組みなどを考えた。

 同校では今年4月から、1年生の環境学習として外来種の調査や駆除を実施。県自然保護推進委員の宇都宮英之さんの協力の下、町内各地でアメリカハマグルマやセイタカアワダチソウの駆除を実施。駆除と同時にアマミクサアジサイなどの固有種の観察も行った。

 また7月には奄美野生生物保護センターのアクティブレンジャー牧野孝俊さんを講師に外来昆虫ヒアリについての講座も実施。1学期と2学期を通して、環境保全意識の向上と、奄美に対する誇りの醸成を目的に外来種についての学習を行った。

 総括として行われた6日の授業には宇都宮さんと牧野さんも参加した。生徒らは、外来種発見場所を地図上にシールで示した分布図を作成。作成後に外来種調査、駆除を行った感想として「抜本作業に苦労した」「在来種、奄美の自然を大切にしたい」などが挙がった。

 1年生の大野稼頭央君(13)は「在来種より外来種が多いように感じた。ボランティアなどで協力し、地道に外来種を減らすことが奄美の自然を守るためには必要」と話した。

 同授業に立ち会った宇都宮さんは「これからの奄美の風景を作るのは子どもたち。この活動が龍南中から広がり、授業内で外来種駆除をする流れが群島全体に広がれば」と語った。

 今回の学習まとめで出た意見は今後、冊子として生徒らに配布される。また同町で来年9月に開かれる「町自由研究発表会・環境教育シンポジウム」で発表するという。